作品数:5
ファンになる人気モデルの久保田鈴はセックスの最中に相手の首を絞め、その痕を見るのが大好き。しかしある日、週刊誌で元カノにDVを暴露されてしまう。叱られると素直に反省するものの、一向に素行が良くならない鈴。それを見かねたマネージャーはストレス発散場所としてデリヘルで働く「何をされてもOK」なウリ専・みよしをあてがった。初めて会った瞬間、肌も髪も真っ白なみよしに鈴は見とれ、すぐに懐くが…表題作のほか、不倫と三角関係を描いた[揺れて、ふれるまで]を収録した大人でビターな中編集。
僕にはヒミツがある。一生秘めると誓った、2つのヒミツが――。 1980年、春――。 都内の大学に通う曲直瀬雄二(まなせゆうじ)は、2つの“ヒミツ”を抱えていた。 それは、高校からの腐れ縁である松永正樹への密かな想い。そしてもう1つは、自分の性に対する違和感だった。 ある日、映画業界で働く姉が撮影用の“ドレス”を雄二の家に残したことをきっかけに、雄二の人生は大きく変わることになる。 “ドレス”を身にまとった雄二は、自分の体への違和感が小さくなっていくのを知ってしまったのだった――。 まだ“トランスジェンダー”という言葉が知られていなかった、昭和時代。 「心の性」と「体の性」の違和感に苦しみながら、“カノジョ”が望んだのは……。
惹かれたのは、見た目の美しさだけじゃない……。叔父の頼みで彼の経営する喫茶店で働くことになった考は久しぶりに降り立った地で、昔見た人形のことを思い出す――人形展に飾られていた一体の美しい人形。また見たいと思っていた矢先、その人形とそっくりな人物が叔父の店で働いているのを見つけ――。驚く考だったが、彼・ユウにはなにか触れられたくない過去があるようで……。