松田洋子

なんだかとても懐かしくて心の奥のもどかしい何かをぎゅ〜っと掴まれている様な感覚になる。大切な人を亡くすってなかなか受け入れられなくて、それが故にちゃんと悲しむって出来なかった私に大切な何かを教えて貰った気がした。
家族って色々あって楽しい事ばかりじゃないはけど家族っていいなと単純に思える素敵な作品。

読み初めは欠陥ばかりの人達ばっかでイライラするって思ってた。
でもタイジの純粋さまっすぐさ優しさに映子の不器用で乱雑な性格や辛い過去や生い立ちでひねくれてしまった性格が変化していく。罪も過ちも浄化されていく。無垢なタイジによって欠陥のある人達が変化していく。
読んでいてムカついたり悲しくなる事もあるけどキャラクターもユニークで人間臭くて嫌いになれない。人情味のある漫画。
迂闊にもラストに向かうに連れて何回かウルっときてしまった。

スタートから悲しすぎる内容。その割には主人公が明るく前向きなのでまさか翔ちゃんはこの人が…なんて想像してしまうくらい独特の空気感（笑）まぁそんなオチはない純愛グルメ漫画？でした。
菜恵ちゃんの明るさと未亡人だからなのかわからないセクシーさが悲壮感を無くしてほっこりした作品にしている。
正直元気すぎて途中まで菜恵ちゃん心の病にかかっているんじゃないかと心配でした。
作者の松田洋子さんの作品って独特な空気感がある。どの作品にも漂う悲壮感と昭和の匂い。くせになる…