須藤佑実

2018年現在、85歳の貴代子が昔を回想するかたちで物語が進む百合漫画。
貴代子とミツの厭世的で乾いた雰囲気がそのまま作品の温度と繋がっていて、冒頭からひきこまれます。
1話で最終話の時間軸につながるオチが提示されていて、貴代子とミツの関わりを思うと初っ端から切なくなりました。
須藤佑実先生の卓越した作画と、昔を回想しながらもゆるやかに死に向かう感覚は鳥肌が立ちます。
所々の貴代子の言動にゾッとしつつ、最終話で2人の人生を見届けられて自然と泣けました。
めちゃくちゃよかった…。

須藤佑実ワールドへようこそ

不思議な余韻のある短編集。誰もが経験した事があるようなチョットした出来事。なんでもない事なのにやけに胸にひっかかるエピソードの裏話的な？相手がこー想ってくれてたら嬉しいなとか、こーしてたらこんな風になってた⁉︎みたいな心地良い妄想。
どの話もチョット不思議で懐かしい匂いがする。藤子F不二雄の『オレ、夕子』と言うアニメをみた時の不思議でチョット怖い感じを思い出した。あの感覚は独特な雰囲気でこーゆー空気感って誰でも出せるものじゃない。
この作者の視点が好き。