全3巻の単行本として発売された『地獄甲子園』を2003年夏の映画化にあわせて1冊にまとめたもの。新作「帰ってきたぞ地獄甲子園」を併録。なお2、3巻に収録されていた番外編など5つの短編は本書には未収録。 <p> 甲子園を目指す、私立星道高校野球部。だが、予選1回戦の相手が外道高校と決まり、校長は気が気ではなかった。彼らにとっての甲子園は「合法的に殺し合いができる場」でしかないからだ。そんな折、転校生の十兵衛が番長軍団を「スーパートルネード」で倒すのを目にした校長は、彼を野球部にスカウトする。試合当日になっても、なかなか現れない十兵衛をよそに、校長と「メガネ」のふたりだけで「ハルマゲ野球」に立ち向かっていくのだが…。 <p> 全編通して、ほぼケンカと試合の荒唐無稽な描写に終始する。グラウンドに埋まった不発弾や地雷は次々と爆発。夏の暑さで膨張した球が破裂し、中から飛び出した無数の釘が体中につきささる。巨大なバットにしこまれたロケットが投手を追い回す。また4ページ分、コマ割りも絵もセリフさえもまったく同じものを使用する箇所があったり、中盤以降、主人公であるはずの十兵衛はいつまでたっても出てこなかったりと、漫画太郎にしかできないしつこさと「はずし」の絶妙なリズムがたまらない。 <p> 帯では本作の映画版をさして「少林サッカー的野球!!!!」とうたっているが、漫画版は「少林サッカー」よりもずっとばかばかしく、ずっと無意味で、そして、ずっとキュートな作品に仕上がっている。(門倉紫麻)
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発刊: 2013.04.25 ~
完結・全1巻
新刊通知
aネットワークの普及、電子出版への完全移行によって、本が終焉を迎えたその時──!! 時代に背を向けた愛書狂たちが作り上げた独立国家“愛書都市”に、読むことに魅せられた女…紙使いの読魅子が現れた!! 地上に残された本を一冊残らず貪り読むために、愛書都市の地下層に秘蔵された稀覯本を狙う読魅子。愛書狂たちとの激闘の末に都市最深部6層全てのフロアを制覇した読魅子が、最後に読んだ本とは? 文系アクションの金字塔として名高い“R.O.D”の最新シリーズとして、読書狂・倉田英之が書き下ろした原作を若手最重要絵師・藤ちょこがコミック化!!!