蘭学医・手塚良仙(てづか・りょうせん)の息子良庵(りょうあん)と府中藩士の伊武谷万二郎(いぶや・まんじろう)は、美女・おせきを巡り犬猿の仲だった。そんな最中、良庵は適塾で蘭学を学ぶため、大坂へ旅立った。万二郎は、江戸を襲った大地震で、民衆を安全な場所へ誘導するという大手柄を立てる。一方、良仙は奥医師たちの激しい妨害の中、娘婿の大槻俊斎(おおつき・しゅんさい)らとともに種痘所の江戸設立に向け頑張っていた。幕末に実在した著者の曽祖父をモデルにする長編時代作品。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT326~327『陽だまりの樹』第1~2巻収録 <初出掲載>1981年4月25日号~1986年12月25日号 ビッグコミック連載
金星で7年の任務を終えて、故郷地球へ帰還する隊員たち。しかし、新型爆弾の放射能で汚染された地で、果たして生きる道は残されているのか……!? 絶望を背に人間の真価が問われる不朽の名作「来るべき人類」。黒い放射線をキーワードに、多発する死亡事件の犯人を追う「くろい宇宙線」など、SFという言葉もジャンルもなかった時代に、手塚治虫が人類に暗示するかのように描いた衝撃作8編を収録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT275~276『ライオンブックス』第6~7巻〈おもしろブック版〉収録 <初出掲載>「来るべき人類」1956年8月号 おもしろブック付録(以下同)/「緑の猫」1956年12月号/「白骨船長」1957年6月号/「宇宙空港」1956年10月号~11月号/「恐怖山脈」1957年1月号/「くろい宇宙線」1956年9月号/「狂った国境」1957年3月号/「複眼魔人」1957年4月号~5月号
いまから三千五百年ほどの昔、インダス川のほとりに住むアリアン人はバラモンを頂点とする身分制度を築いていた。そんな中、物語の主人公であるシッダルタが誕生する少し前、奴隷出身のチャプラはコーサラ国の将軍を助けたことがきっかけで彼の養子となる。そして、出自を隠して権力の座を狙うが、チャプラもやはり身分制度の呪縛からは逃れることができなかった……。ブッダが生きた時代とその生涯を描いた大作がここに始まる! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT287~288『ブッダ』第1~2巻収録 <初出掲載>1972年9月号~1978年7月号 希望の友/1978年8月号~1979年12月号 少年ワールド/1980年7月号~1983年12月号 コミックトム連載
高度な知能を持った鳥達が人間を駆逐し、地球の支配者になった! だが、地球上の進化の歪みを正すべく生まれた鳥人社会も、決して理想の世界ではなく、やがて人間と同様の歴史を歩み始める。退廃していく鳥人社会の行く末は……!? 「SFマガジン」に連載され、海外からも反響のあった問題作! <手塚治虫漫画全集収録巻数>『鳥人大系』(手塚治虫漫画全集MT94~95『鳥人大系』第1~2巻収録)/『SFファンシーフリー』シリーズ(手塚治虫漫画全集MT80『SFファンシーフリー』収録)/『ドオベルマン』(手塚治虫漫画全集MT80『SFファンシーフリー』収録)/『熟れた星』(手塚治虫漫画全集MT321『大地の顔役バギ』収録) <初出掲載>『鳥人大系』1971年3月号~1975年2月号 SFマガジン連載/『SFファンシーフリー』シリーズSFマガジン掲載 「炎症」1963年5月号/「うしろの正面」1963年4月号/「そこに指が」1963年6月号/「一寸の虫」1963年11月号/「24時間まえの男」1964年3月号/「ゼンソクの男」1963年2月号/「緑の果て」1963年7~9月号/「七日目」 1963年10月号/「ガリバー旅行記」1963年12月号・1964年2月号 /『ドオベルマン』1970年2月号 SFマガジン掲載/『熟れた星』1971年2月号 SFマガジン掲載
オーストラリアの深い山の中で、一匹の生命が誕生した。バンビと名付けられたその子鹿は、森の動物たちとともにすくすくと成長を遂げる。ある夜、森の中でパンビは一頭の立派な角をもつ牡鹿と出会う。森深くまで追っていくうちにおそろしい狼たちに囲まれてしまうのだが……。手塚治虫がディズニーの名作アニメーションをもとに描き降ろした幻の作品! <手塚治虫漫画全集収録巻数>未収録 <初出掲載>『バンビ』※漫画 1952年11月10日 鶴書房/『バンビ』※絵物語 1951年8月号 漫画少年掲載/『ウォルト・ディズニー物語』1951年11月号 漫画少年掲載 ※本書の底本である『復刻版 手塚治虫のディズニー漫画 バンビ ピノキオ』(講談社)は、「ピノキオ」「バンビ」「手塚治虫とウォルト・ディズニー」の3分冊からなっています。本書はその中の「バンビ」「手塚治虫とウォルト・ディズニー」を再構成して収録しました。
卒業できれば宇宙移民局幹部の未来が約束される「銀河総合アカデミー」。須波光二(すなみ・こうじ)はそのアカデミーを大親友である大郷錠(だいごう・じょう)とともに受験をするのだが、大郷の裏切りにより殺されてしまう。その後、須波は謎の異星人により復活するのだが、大郷のたくらみにより砂漠の惑星へ島流しにされてしまう。その地で彼は「カオス」と名付けられる。はたしてカオスは地球に戻り、大郷に復讐することはできるのか……。第13章「対決」までを収録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT131~132『未来人カオス』第1~2巻収録 <初出掲載>1978年4月16日号~1979年1月1日号 週刊少年マガジン連載
宇宙調査官のユーケイは冷酷なハンターだ。地球から逃亡した反乱分子たちを探し出し、追いつめ、粛正する。おまけに今度の仕事は大統領からの勅命だ。宇宙の果てに棲む魔女の犯罪の証拠を探し出し、始末する。だが、ユーケイの前に現れたのはただの老婆にすぎない、その上彼女はユーケイの過去に妙にこだわるのだった……。時空を超えた愛の姿を描く「安達が原」の他、様々な愛と憎しみの姿が浮かび上がる、傑作短編5編を収録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>MT61『ライオンブックス』1巻収録/MT62『ライオンブックス』2巻収録 <初出掲載>『安達が原』1971年3月22日号 週刊少年ジャンプ 掲載/『荒野の七ひき』1972年7月17日号 週刊少年ジャンプ 掲載/『はるかなる星』1973年1月22日号 週刊少年ジャンプ 掲載/『あかずの教室』1971年6月21日号 週刊少年ジャンプ 掲載/『白縫』1971年4月26日号 週刊少年ジャンプ 掲載/『コラープス』1971年12月27日号 週刊少年ジャンプ 掲載/『奇動館』1973年2月19日号 週刊少年ジャンプ 掲載
非現実的な状況に出遭った時、人は自らが抱える狂気に飲み込まれてしまうのか。それとも――? 17のエピソードから、人間の秘めたる業が浮かび上がる! <収録作品>鈴が鳴った/溶けた男/雪野郎/紫のベムたち/生けにえ/双頭の蛇/オクチンの奇怪な体験/大あたりの季節/オクチンの大いなる怪盗/二つのドラマ/巴の面/三人の侵略者/八角形の館/風穴/ブルンネンの謎/墜落機/クレーターの男 <手塚治虫漫画全集収録巻数>MT218『ザ・クレーター』第1巻収録/MT219『ザ・クレーター』第2巻収録/MT220『ザ・クレーター』第3巻収録 <初出掲載>『鈴が鳴った』 1969年11月19日号 「少年チャンピオン」掲載/『溶けた男』 1969年9月10日号 「少年チャンピオン」掲載/『雪野郎』 1969年12月3日号 「少年チャンピオン」掲載/『紫のベムたち』 1970年2月18日号 「少年チャンピオン」掲載/『生けにえ』 1970年3月18日号 「少年チャンピオン」掲載/『双頭の蛇』 1969年10月15日号 「少年チャンピオン」掲載/『オクチンの奇怪な体験』 1969年12月17日号 「少年チャンピオン」掲載/『大あたりの季節』 1970年1月21日号 「少年チャンピオン」掲載/『オクチンの大いなる怪盗』 1970年3月4日号 「少年チャンピオン」掲載/『二つのドラマ』 1969年8月10日号 「少年チャンピオン」掲載/『巴の面』 1970年1月7日号 「少年チャンピオン」掲載/『三人の侵略者』 1969年11月5日号 「少年チャンピオン」掲載/『八角形の館』 1969年8月27日号 「少年チャンピオン」掲載/『風穴』 1969年9月17日号 「少年チャンピオン」掲載/『ブルンネンの謎』 1970年2月4日号 「少年チャンピオン」掲載/『墜落機』 1969年10月1日号 「少年チャンピオン」掲載/『クレーターの男』 1970年4月1日号 「少年チャンピオン」掲載
ブートン博士とケン一くんは、あやしい覆面の集団に誘拐されてクラゲ島へと連れていかれる。そこには、地球制服をたくらむポッポ博士と、さまざまなロボットたちが待っていた。研究に協力するよう言われる二人だったが……。赤本時代の傑作漫画『火星博士』『仮面の冒険児』『大空魔王』『一千年后の世界』『流線型事件』を併録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>『火星博士』(手塚治虫漫画全集MT339『火星博士』収録)/『仮面の冒険児』(原題『20のトビィ』) (手塚治虫漫画全集MT324『拳銃天使』収録)/『大空魔王』(手塚治虫漫画全集MT339『火星博士』収録)/『一千年后の世界』(手塚治虫漫画全集MT173『珍アラビアンナイト』収録)/『流線型事件』(手塚治虫漫画全集MT254『有尾人』収録) <初出掲載>『火星博士』1947年9月5日 不二書房発行/『仮面の冒険児』(原題『20のトビィ』)1948年7月30日 東光堂発行/『大空魔王』1948年8月5日 不二書房発行/『一千年后の世界』1948年8月30日 東光堂発行/『流線型事件』1948年10月10日 娯楽社発行
手塚治虫が自らの少年期を描いた『ゴッドファーザーの息子』『紙の砦』『すきっ腹のブルース』など自伝的作品を中心に集めた短編集。一男二女の子育て体験を私小説風に描いた『マコとルミとチイ』も併録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>『ゴッドファーザーの息子』(手塚治虫漫画全集MT179『ゴッドファーザーの息子』収録)/『紙の砦』(手塚治虫漫画全集MT274『紙の砦』収録)/『すきっ腹のブルース』(手塚治虫漫画全集MT274『紙の砦』収録)/『がちゃぼい一代記』(手塚治虫漫画全集MT274『紙の砦』収録)/『トキワ荘物語』(手塚治虫漫画全集MT274『紙の砦』収録)/『という手紙がきた』(手塚治虫漫画全集MT274『紙の砦』収録)/『動物つれづれ草』(手塚治虫漫画全集MT274『紙の砦』収録)/『怪談雪隠館』(手塚治虫漫画全集MT258『雑巾と宝石』収録)/『マコとルミとチイ』(手塚治虫漫画全集MT273『マコとルミとチイ』収録) <初出掲載>『ゴッドファーザーの息子』 1973年1月号 別冊少年ジャンプ掲載/『紙の砦』 1974年9月30日号 少年キング掲載/『すきっ腹のブルース』 1975年1月1日号 少年キング掲載/『がちゃぼい一代記』 1970年2月号 別冊少年マガジン掲載/『トキワ荘物語』 1970年9月号 COM掲載/『という手紙がきた』 1971年2月1日増刊号 ビッグコミック掲載/『動物つれづれ草』 1973年10月号~1974年9月号 アニマ連載/『怪談雪隠館』 1969年12月3日号 漫画サンデー掲載/『マコとルミとチイ』 1979年8月号~1981年10月号 主婦の友掲載/『うめぼし陰謀団』 1955年4月号 少年掲載/『ぼくの少年時代』 1955年2月号 少年クラブ掲載/『らくがき事典1』 1959年8月16日号 週刊少年サンデー掲載/『らくがき事典2』 1959年8月23日号 週刊少年サンデー掲載
カビの生えたパンを食べた途端、なぜか体がミクロサイズになってしまったケン一とヒゲオヤジ。そのまま、ある少年の体内に吸い込まれてしまうが、そこでは結核菌対白血球の全面戦争が行われていた! 白血球の鉄壁な守りで劣勢を強いられる結核菌に、ケン一とヒゲオヤジは捕われてしまう。戦術を練るため、人間の体内構造を教えろと脅迫されて……。各臓器を舞台に繰り広げられる存続を懸けた戦いの結末は!? 表題作の他に7編を収録。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>『38度線上の怪物』(手塚治虫漫画全集MT43『38度線上の怪物』収録)/『火星からきた男』(手塚治虫漫画全集MT43『38度線上の怪物』収録)/『化石人間』(手塚治虫漫画全集MT43『38度線上の怪物』収録)/『化石人間の逆襲』(手塚治虫漫画全集MT43『38度線上の怪物』収録)/『人食岬の決戦』(手塚治虫漫画全集MT319『落盤』収録)/『ジェット基地の幽霊』(手塚治虫漫画全集MT319『落盤』収録)/『落盤』(手塚治虫漫画全集MT319『落盤』収録)/『花とあらくれ』(手塚治虫漫画全集MT319『落盤』収録) <初出掲載>『38度線上の怪物』 1953年3月号 少年画報付録/『火星からきた男』 1953年7月号 少年画報付録/『化石人間』 1952年2月号 冒険王付録/『化石人間の逆襲』 1952年7月号 冒険王付録/『人食岬の決戦』 1957年8月号 冒険王付録/『ジェット基地の幽霊』 1958年9月15日 冒険王夏休み大増刊掲載/『落盤』 1959年9月15日発行 X(第3集)掲載/『花とあらくれ』 1959年12年15日発行 X(第5集)掲載