この漫画のレビュー

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1742件の評価

4.7

14巻まで読みました

数え切れないほどの物語が世の中に溢れている。それこそ毎日新しく作品が生まれている。その中には悲劇を扱う作品が数多く存在する。今作もその内の1つ。そして今作はとりわけ読者へ”魅せる“という技術が上手い。狂気じみていると感じる程に上手い。
展開は元より、きっかけ、魅せ方、キャラクター、モノローグ、全てが作用して気づけば引き込まれ抜け出せない。
まず何より感じたのはその一点。

【テーマ】
正義と悪。しかしそれは単純な勧善懲悪等ではなく、どちらも正しくどちらもおかしい。平面では語れないテーマをまさにと見せつけるように立体で描いている。
殆どの人が一回は考えたことがあるだろうし、考えたことが無くとも胸の内には潜んでいるしこりだと思う。

【キャラクター】
皆が個性的で、また非常に魅力的に映る。
それは皆「芯」があり、思い悩む生物らしさがあるから。設定臭さを感じさせずに、自由奔放に。
成長と共に堕落もすれば、そこから学び這い上がることもある。

【構成・物語】
構成はオーソドックス。展開も厨二漫画らしい展開の応酬で至って王道。
だがそこにのせる要素が個性のパレード。キャラクターはキャラクターの域を出ているし、表情・背景・演出・描写が心を揺さぶるし、セリフは肉声で迫ってくる。
普段悲劇的展開や恋愛描写をサラッと流してしまう私も釘付けになってしまった。

【最後に】
あまり世間で流行っている作品は漫画を読み漁っている人間からすると「バランス型」に見えて今いち印象には残らないことが多いが、今作には「バランス型」の強さをまざまざと思い知らされた。
バランスはとれているのに一点特化型の勢い、熱量がはっきりとここにはある。
キャラクターが多く設定も少しややこしい嫌いはあるが、流し読みさえしなければ十二分に理解できる内容だと思う。厨二患者は読むべし、絶対に読むべし。

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