将太の寿司

寺沢大介

3.55

3201

完結・全26巻

うにたべたいさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

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1.0
3.55

52件の評価

4.3

26巻まで読みました

90年代中期、週刊少年マガジンで"金田一少年の事件簿"や"MMR"などの人気連載作品と同時期に連載されていた料理マンガ。
厳密には本作の次回作も含む形になりますが、マガジン第1次黄金期と第2次黄金期にまたがって連載されていたため、全盛期のマガジンを知っている方は誰しもが知っているタイトルですね。

週刊少年誌には珍しい寿司職人を目指す少年「関口将太」が主役です。
将太の実家は北海道の寿司店・巴寿司を営んでいますが、そこには大型寿司チェーン店・笹寿司の店舗が広がっており、個人寿司店は難しい状況だった。
その上、笹寿司は巴寿司を始めとした他の寿司店への執拗な嫌がらせを行っており、将太もまた学校で笹寿司社長の息子「笹木剛志」から嫌がらせを受けていたのだが、そんな折、「寿司握りコンテスト」の話が飛び込んでくる。
笹寿司の嫌がらせでネタが集まらないため、父は船に乗り、直接ネタの仕入れに向かうが、笹寿司の謀略によって船が転覆し大怪我を負ってしまう。
父のかわりに寿司を握った将太の寿司を食べた、東京・鳳寿司の親方「鳳征五郎」は、将太の寿司を評価する。
一人前の寿司職人となるため将太は、鳳寿司で修行するべく東京へ向かう、というストーリーです。

基本的に一話完結型で、寿司のテクニックや職人としての心構え、注意点などを絡めて、人間ドラマが展開する内容です。
中盤はトーナメント方式の『寿司職人コンクール』編が長く続き、コンクール終了後も辛辣な評論家「武藤鶴栄」が難癖をつけ、それに対抗する寿司を作るようなストーリーが多く、寿司職人としての成長の物語というよりも料理対決ものとしての側面の方が強いです。
なお、作者の寺沢大介氏といえば、アニメ版で美味しい料理のリアクションが激しいことで有名な「ミスター味っ子」が代表作ですが、本作では寿司を食うと口内が発光するようなエフェクトはないです(近いものはありますが)。

北海道の収穫時期の異なる鮭・ときしらずや、浅草海苔が絶滅危惧種であること、鯛の稚魚カスゴや、高級なドジョウ・アジメドジョウなど、寿司、特に魚に関する知識が多く登場します。
実在するまさかの食材によって勝利を収めるシーンも多くて、そういった知識も楽しめる良作です。
ただ、主人公も含め登場人物にクズが多く、ほぼ毎話のように嫌がらせが入ります。
ストーリー序盤から、主人公の父親はライバル寿司店によって殺されかけ、以降も後遺症に苦しみますが、以降も割りとそんな感じなので、意外にバイオレンスな寿司マンガだと思います。
あまりの嫌がらせの多さにギャグかと疑うときもあるのですが、それも含めて面白く、テンポはよくて読みやすい作品です。

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