螺旋じかけの海

全3巻。
人間と動物の遺伝子が融合して生まれるキメラ体。
その世界では、人体の15%以上がヒト以外の表皮で覆われるとヒトではないとみなされる法律がある。
舞台は衛生状態の悪い水上の街。陸の街と比べて貧困率が高く、またキメラ体に罹患する確率も高い。

その街で、遺伝子操作を生業とする音喜多という主人公がいる。
本作は、様々なキメラ体の人々とのエピソードを通して、ヒトの生き方、価値観に触れていく物語。
ヒトとキメラ体の狭間の揺れる登場人物たちが、とても切なかったです。
わりと生理的に嫌な描写があるので繊細な方は控えた方がいいかもしれない。
私はこの世界観が好きです。

一度ちらっと読んでから探していた作品でした。やっと読めて満足しています。
世界観もそこで生きる人たちの姿もとても上手に表現されていて続いていれば…と思います

現在は事実上廃盤らしく書店にはほぼほぼなさそうです！