この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.51

333件の評価

4.0

2巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

う~ん、非常に評価が難しい作品ですね。2巻まで読んだ時点ではどう転ぶか全く予想も付きません。
ストーリーは、妻との死別、娘の不登校、部下や上司に対する不満等で、家庭や職場に強いストレスを抱えた中年男性・市川晃介が、娘の友達の女子高生・如月古都とひょんなことから出会い、秘密の恋愛関係になっていくというものです。それだけだとラブストーリーのように思えますが、古都が非常に独特で謎が多いキャラクターなので、ミステリーやサスペンスのようなテイストも感じる不思議な作品です。
正直、市川は傲慢な男で好感が持てるようなキャラクターではありませんし、古都はそんな市川を上手く操り、無垢な少女を演じているような雰囲気があります。既に古都の母親は娘を束縛する“毒親”であることが判明していますから、古都がただ年上の男性に惹かれる少女ではなく、精神面に問題を抱えていることは間違いありません。この関係が互いを慰め合うような建設的な方向へ進んでいくのか、それとも破滅的な方向へ堕ちていくのか、「本当の古都」を考察しながら読むのが楽しい作品ですね。
まあそこまで面倒なことを考えずとも、荻原あさ美先生の描かれる魅力的な女性キャラクターと艶めかしい性描写だけでも充分満足できる作品なのでオススメですよ!

名作の気配

3.5

1巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

エロ漫画の行為に至る前を延々と……みたいな想像をして読み始めたのですが、そこはイメージ通り。一方で、家庭に職場に問題だらけでストレスに押しつぶされそうになる中年の主人公が置かれている状況はなかなかにヘビーで、思い描いていたような甘美さは無し。そんな中偶然出会う娘の友達は、ものすごく思わせぶりであるとともに、まるで主人公の苦悩をすべてわかっているかのような振る舞いを見せ、心を鷲掴みにしていく。その様子はさながら、宗教やネットワークビジネスの勧誘のようですらあり、とても高校一年生の少女には見えない。なので、読んで受ける印象は、官能からくるドキドキやクラクラではなく、得体のしれないものと対峙しているかのような底知れぬ恐怖。いや、こんなオジサンを嵌めて得することなんてないはずなんだから、それはもう心のままに溺れ狂えば良いはずなのですが、据え膳すぎてためらうっていう。恋物語として描くのであれば、あまりに節操がないし、そうでなければこれは何の話なんだろうと戸惑いばかりが残る、このモヤモヤ感よ。まんまと作者の掌の上で踊らされているというところか。続きが気になって仕方ありません。

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