この漫画のレビュー

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4.0
3.0
2.0
1.0
3.78

39件の評価

5.0

3巻まで読みました

a lot of rain、短縮して lotta rain。本作で雨が降るシーンが多々ありますが、どのシーンでも伴うのはなにかしらの感情です。
本作のタイトルの意味、それは「激情」でしょうか。まさに、この儚く哀しい物語に相応しいと思います。

物語は30歳無職の男、一と、その家族でありながら血縁関係のない13歳の少女、初穂の出逢いから始まります。
もちろん、世間はそのような恋愛は許してくれません。途中感情移入しすぎて胃が痛くなり、何度も作品を閉じては開き。。

それは、作者の類稀なセンスによるものだと思います。
エモーショナルで感情を掻き立てられる画風、登場人物の心境を風景で語らせるテクニック、映画のようなコマの間の使い方。
まさしく、恋愛小説を読んでいるような、あるいは恋愛映画を鑑賞しているような感覚に陥りました。

加えて、ヒロイン初穂の中学1年生という微妙な年頃の設定。危うさ、妖艶さ、エロさ。
初穂は中学1年生にしては色気があり、また早熟で、30歳の男すら虜にする美しさでした。
読み手もずっと緊迫する物語。動かすのは、思春期の女の子特有の「白馬の王子様がどこかへ連れてってくれる」願望。これが表出したのが本作終盤なのだと思います。

あらすじには"純愛"漫画とありますが、果たして純愛でしょうか。"大人"である一は、視野を広げてより良い選択をすべきだったのではないでしょうか。
物語導入部のエピソードの存在する必要性を勘案すると、彼にとってそれは恋愛ではなく「性欲」だったんだろうなと思います。
ダメ押しに、他に女性キャラが登場しますが、子供時代を経験したからこそのあの台詞なのでしょう。

本作は平たく薄く言うと、「一時の気の迷いの物語」
になるのでしょうか。
私は、読んでいる最中ずっと心がザワザワしていました。さながら大雨が降っているかのように不安定で。素晴らしい作品です。
紙で買い直して良かったと思います。

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