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全5件
さとう
4.8
このレビューにはネタバレを含みます。
社畜OLと女子高生の奇妙な同居生活を描いた4コマ作品。「社畜さん」ことナルさん(成瀬胡桃、2X歳)は元学校教師で今は会社勤めの社畜。「家出少女」ことユキちゃん(雪村つぐみ、15歳)はナルちゃんの家に居候している女子高生。親戚でも恋人同士でもない二人が同居生活を送っている背景には色々と複雑な事情がありそうだが1巻ではその辺りの事情はあまり語られず、二人の日常のやり取りを中心に話が展開していくものの、ラストではなるちゃんが(ユキちゃんに心配をかけまいと)隠していた親からの手紙をユキちゃんが発見する。この手紙、「私の娘を返しなさい」という短い文章ながら「「私たち」でなく「私」」とある事からユキちゃんの親の片方からの手紙であること、親はユキちゃんがナルちゃんのもとに居る事を把握しているが許してはいないことなど多くの情報が読み取れるなど、今後の展開が気になるとても上手な引きなので2巻の発売が待ち遠しい。
社畜さんと家出少女
レビュー(22)件
完結・全4巻
榎並先生と栄依子がおはようのディープキス!?冷たい目で「えーこは足手まといだから」と言い放つ冠!?榎並先生と栄依子(と何故かたまちゃん)が三つ巴で同衾!?たまちゃんが栄依子を出禁に!?…等々、今までゆっくりと積み上げてきたみんなの関係が大きな転機を迎える(かもしれない)急転直下の第6巻。そんないつもどおりのドタバタ楽しい日常を過ごしつつも、あの引っ込み思案だった花名ちゃんが生徒会の手伝いを申し出たりクラブTシャツをデザインしたりと、ゆっくりながら確実に前に進んでいる事が実感できて非常に嬉しかったです。6巻の終盤で花名ちゃんが「いろんな行事とか 高校生でできる事いろいろ 今度はひとつも取りこぼしたくないな、って」と口にした時には、志温さんや大会さんと一緒に花名ちゃんを思いきりナデナデしたくなりました。まんがタイムきらら本誌や単行本でスロウスタートを追い続けてきた熱心なファンはもちろん、アニメやきららファンタジアでしか本作を知らない人にもぜひ読んでもらいたいです。
スロウスタート
レビュー(36)件
既刊11巻
4.0
優里ちゃんや青野くんをはじめとする登場人物の多くが年相応に未熟であり、加えてそれぞれの生い立ちや過去に由来する危うさや不安定さを持ち合わせている本作。もちろんそれがこの作品の大きな魅力ではあるのですが、同時に得も言われぬ不気味さやもどかしさを感じさせ、読み進めるうちに面白いながらも暗い気持ちになってくることもしばしば。そんな中で抜群の安定感と信頼性を見せる藤本くんの存在はとても心強く、優里ちゃんに「強くて優しくて誠実で嘘がなくて正しい人」とまで言わしめるのも頷けます。いち読者から見てもこんなに頼もしく感じるのですから、実際に生命に関わるような恐ろしい体験をしているにも関わらず周囲に頼れる大人がいない優里ちゃんにとって、藤本くんの存在がどれだけ支えになっているかは想像に難くありません。優里ちゃんと青野くんの恋路が今後どのような展開を迎えるのか想像もつきませんが、個人的には引き続き藤本くんの活躍にも注目していきたいと思います。
青野くんに触りたいから死にたい
レビュー(359)件
既刊10巻
父を亡くしたひよりと母を亡くした小春、同い年の二人が父母同士の再婚によって姉妹となるところから物語は始まります。実の親との死別と残った親の再婚、そしてある日突然家族となった見ず知らずの他人との共同生活…という事で、きらら作品としてはやや暗めの作風を想像していたのですが、第1話から良い意味で予想を裏切られました。物静かなひよりが一人で釣りをしているシーンから始まる第1話。この穏やかな雰囲気で物語が進んでいくのかと思いきや、突然表れた小春が無茶苦茶な行動でひよりを巻き込んだうえ空気を読まずにグイグイ来るので、否応無しに小春のペースに巻き込まれつつも何故か悪い気はしないひより…といった流れで、一見重くなりそうな設定を上手に消化しています。その後もとにかくよく動きよくしゃべりよく笑うおバカかわいい小春が大活躍で、ともすれば自分の殻に閉じこもってしまいそうなひよりにそんな暇は与えまいと子犬のようにじゃれついてくるので、展開上しんみりする必要がある場面以外ではほぼほぼ明るい雰囲気で進んでいきます。私自身ほとんど釣りの経験が無いので某有名釣りバカ漫画を読んでもいまいち面白さがわからなかったクチですが、個人的にはこの作品はあくまで「ひよりと小春、そしてそれぞれの義父母が家族になっていく物語」と「ひより・小春・恋たち女の子の友達以上百合未満なきらら的日常」を楽しむもので、釣りは作品の中の一つの要素であり、ひよりと小春、そして二人を取り巻く人々を繋げる手段だと思って読んでいますがそれでも非常に楽しめています。なのでこの作品は、むしろ「釣りなんてやった事も無いし正直興味も無い」という人にこそおすすめしたいです。
スローループ
レビュー(59)件
既刊8巻
twitter上に流れてくる女の子の変顔とネガティブ台詞で以前から気になっていた作品。ついに単行本1巻が発売されたので早速購入してきました。表紙とタイトルを見た印象では「一緒にバンド活動する仲間がいないので一人でギターを弾く女の子の話」かな…という感じですが、実際はそれに加えてひどいネガティブ思考と豆腐メンタル(と隠れ巨乳)の持ち主である主人公・ぼっちちゃん。今までネットに「弾いてみた」動画をアップするくらいしか活動していなかったぼっちちゃんですが、「バンド女子アピール」のために持ち歩いていたギターに目を付けたドラマー・虹夏さんにスカウトされ「結束バンド」に加入した事をきっかけに次々と新たな出会いや経験に恵まれ、忙しくも賑やかな日々が始まります。しかしそこは筋金入りのコミュ障ネガティブ少女・ぼっちちゃん。なかなか人見知りを克服できずに落ち込んだり陰キャ全開な言動で周囲に引かれたりと、環境が変わったからといって性格まで急に変われる訳ではありません。それでも自分の目標のため、そして自分を受け入れてくれる仲間たちとの大切なバンドを盛り上げるために頑張るぼっちちゃんの姿を見ているとこちらも勇気をもらえますし、1巻に描かれている約4ヶ月の間でもぼっちちゃんがゆっくりと確実に前に進んでいる実感が得られるので読んでいて心地よいです。そして何より、普段は駄目駄目なぼっちちゃんが路上ライブや2回目のライブなど「ここぞという時に決めてくれる」ところは非常に好感が持てますし、このあたりの盛り上げ方は本当に上手だと思います。本作は発売後即重版もかかったとの事で間違いなく「次にくるきらら作品」の筆頭候補だと思いますし、早ければ今年中にもきららファンタジア参戦やアニメ化が発表されるのではないかと期待しています。
ぼっち・ざ・ろっく!
レビュー(199)件
既刊6巻
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