一割そば さんのレビュー

1

4.5

1巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

森永先生の画力、表現力、話のテンポ、メリハリどれをとっても素晴らしいなと思える作品です。
1巻のキャラ紹介では旅行ものならではのパスポートを使ってみたりと先生の遊び心も光ってます(パスポート下部のKRR〜という部分が連載誌での初登場(厳密には違うけど)した号の発売日だということに見直しながら気づきました)

1巻でお気に入りのシーンは数ありますがロカ岬は特にお気に入りです。海のある意味当たり前の言葉がリエに絵を描くルーツを想起させる。王道ではありますが演出も相まって非常に素晴らしいシーンとなってます。このページのロカ岬の描き方が私は大好きで、モノクロ印刷、限られたページの中海や空の広さをコマを跨ぎ、ページ上半分を大胆に使って表現していて表現力の高さを感じました。

表現力、画力の話繋がりですとイタリア編に入ってからの芸術作品、建造物の描き方が個人的には大好きです。先生のインタビューによると手描きに拘っているそうで細部への書き込み含めかなりのクオリティのものが掲載されています。
聖パウロの回心やパラティーナ礼拝堂は壮大な芸術作品を生で見たとき特有の作品に気圧される感覚と似たようなものを感じるほどで初見時は思わず声が出た記憶です。

海達の旅は結構忙しなくてもっとゆっくり回ったり写真の海を探してもいいんじゃないなんて思ったりもするんですが、今は若さと体力をフルで使っていて若者の旅らしくてアリかなって考えてます。

多分に芸術作品や文化への解説がされますが基本的に芸術系への造詣が深いキャラが一緒にいるので違和感なく受け入れられますし、話の緩急の付け方が非常に上手いので笑える上に読みやすい作品になってます。
また、海と旅する人物はみんな表現者としての悩みを抱えていて表現者ではない私とは縁遠い存在かなと思ったこともありましたが、本質は「好きなもの」との向き合い方と考えると感情移入もしやすくなっていい感じです。

旅する海とアトリエ

レビュー(26)件

完結・全2巻

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