? さんのレビュー

2

4.2

キャラクターよし。関係性よし。感情闇鍋ウエスタンのキャッチフレーズの名の通り、目紛しく移り変わる協力者と対立構造。その関係性が織りなす感情の渦は31巻分ずっとジェットコースター。
でもこの作品がもっとも素敵なのはタイトルの説得力。アイヌ文化の紹介漫画的な側面はただの文化紹介グルメエンタメなんかではなく、タイトルが象徴する架空の概念の実在感を感じさせる強い根拠になっている。この漫画の旅で辿ってきた積み重ねこそがタイトルの本質なのだという事が判明する終盤のタイトル回収のシーンでこの作品が傑作だと確信した。

週刊漫画らしく、キャラクターのポジションやメタ的な扱いが180度以上に変遷していくライブ感を強く感じさせつつも、その過程がキャラクターたちの末路を決定していく様な因果だらけのクライマックスの畳み方は職人芸。その1つ1つが長期連載に付き合ってきた読者に対して見事に期待に応えてくれるものばかり。
その上で、最終的な物語の軸は最初から一切ブレていない。暴れ馬に跨って必死に食らいついていたらいつの間にか目的地に寸分の狂いなく着いていた、そんなマンガだった。最高。

名作

10巻無料

ゴールデンカムイ

レビュー(1765)件

完結・全31巻

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