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全2件
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3.0
しっかりとしたSF設定を敷き詰めた上でやるのが、裸族の女性モモ艦長とお猫を眺めるだけのニート観察記。恒星間航行で運送業を営む1人艦長の残電力のやりくり日記という建前は一応ある。一応あるが、むしろ裸族の女ニートの日常を延々と描きたいがための設定だという事はひしひしと伝わってくる。なんだけど、モモ艦長がどうして裸なのかの説明は特にない。ほぼ全ページ裸。全て見えちゃってるので、驚くほど色気がない。なのでエロはない。だが癒しはある。この感じ。見覚えがあるな、と思ったけど、一時期なろう系ばりに大量にあった新都社のニート観察記だ。飛び抜けてダメなやつを見て安心する感覚。そういう印象も含めて、安心して読めるWeb漫画みたいな印象。連載スパンの気の遠さもそうだし、いい意味で中身のない自由気ままな内容もそう。でも早く終わってほしいというよりは、ダラダラと何年でも続けてほしい。忘れた頃に単行本買うから。ああ、もう出たんだ、ってお得感とまだ続いてたんだっていう安心感がスローペースな長期連載の良さの1つだ。
モモ艦長の秘密基地
レビュー(18)件
既刊1巻
4.2
キャラクターよし。関係性よし。感情闇鍋ウエスタンのキャッチフレーズの名の通り、目紛しく移り変わる協力者と対立構造。その関係性が織りなす感情の渦は31巻分ずっとジェットコースター。でもこの作品がもっとも素敵なのはタイトルの説得力。アイヌ文化の紹介漫画的な側面はただの文化紹介グルメエンタメなんかではなく、タイトルが象徴する架空の概念の実在感を感じさせる強い根拠になっている。この漫画の旅で辿ってきた積み重ねこそがタイトルの本質なのだという事が判明する終盤のタイトル回収のシーンでこの作品が傑作だと確信した。週刊漫画らしく、キャラクターのポジションやメタ的な扱いが180度以上に変遷していくライブ感を強く感じさせつつも、その過程がキャラクターたちの末路を決定していく様な因果だらけのクライマックスの畳み方は職人芸。その1つ1つが長期連載に付き合ってきた読者に対して見事に期待に応えてくれるものばかり。その上で、最終的な物語の軸は最初から一切ブレていない。暴れ馬に跨って必死に食らいついていたらいつの間にか目的地に寸分の狂いなく着いていた、そんなマンガだった。最高。
ゴールデンカムイ
レビュー(1765)件
完結・全31巻
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