ヤングキングさんの作品の書影

ヤングキング

作品数:176

1,382

4.4

25巻まで読みました

韓国出身のマンガ家Boichiによるアウトローマンガ。
Boichiは、本作の後にジャンプでDr STONEの作画を担当しています。

主人公は日本人の「北野 堅(ケン)」。
彼は片思いの相手「吉沢 祐美(ユミン)」が韓国で警察官になるのを追って韓国へ行くのですが、学歴もないケンを韓国警察が受け入れてくれるわけもなく、コシウォンで自堕落な生活を送ることになります。
そんな折、ご飯を食べていた屋台にマフィアが現れ、ケンは屋台の主人を庇ってマフィアを倒します。
それを見ていた「朴泰秀」は、ケンを自分のギャング組織へボスとして引き入れます。
ケンは、韓国のゴンダル(チンピラ)のチーム『ケンロック』を率いて、韓国でのし上がるというストーリーです。

マンガとしては珍しい韓国の裏社会を描いた作品で、舞台はほぼ韓国です。
ストーリー中、韓国の食文化や地名が登場し、隣国である韓国の姿を垣間見える作品でした。
韓国が舞台のマンガですが反日的なメッセージは無く、仲間を大切にし、時に熱く、そして楽しいことが大好きな韓国人たちの活躍は、読んでいてシンプルに楽しかったです。

また、画力がかなり高く、敵に立ち向かうチーム・ケンロックの横顔はかなりイカしてます。
戦闘シーンはステゴロが多く、筋肉の陰影もはっきりしていてかっこいいです。
女性キャラも肉質的で色っぽく、掲載誌が青年誌ということもあってR18ギリギリアウトなシーンも多いです。
かと思えば、思いっきりグルメを楽しんだり、ギャグパートもあり、メリハリもあって読みやすいです。
ビル爆発やカーチェイス描写も多数あり、書き込みもすごく迫力があり、エンターテイメント性の高い作品でした。
流れるようにストーリーが進み、テンポが良く中だるみを感じないので、飽きることなく読み進められると思います。

いくつかの章に分かれていて、一つ大きな仕事をやり遂げるごとにチームが韓国内で無視できない存在へ育ってゆく展開となります。
ラスト直前までは良かったのですが、ラストだけは賛否がありそうです。
日本最大のヤクザ組織との抗争を終えた後からは、場面場面を見せられるような作りになって、いつの間にかチームの主要人物が死んでいることになっています。
ケンの生き様とともに終幕するのですがラストだけ急にすっ飛ばした感じがあり、個人的にはラストまで丁寧に描いてほしかった、描かないにせよ、殺さないで欲しかったと思いました。

ただ、全体的には読みやすく面白い良作でした。
かっこいい兄貴たちの筋肉バトルマンガが読みたいときはおすすめです。

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