眉月じゅんさんの作品の書影

眉月じゅん

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作品数:3

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1,307

2.8

1巻まで読みました

眉月じゅんの初期短編集。
ヤンジャンアプリで読みました。
残念ながらアプリ版では、各々何の雑誌に掲載されていたかの記載がなかったです。

眉月じゅんさんの作品は、"恋は雨上がりのように"しか読んでいないのですが、そのイメージで本書を取ると、あまりの方向性の違いに驚くと思います。
今連載中の"九龍ジェネリックロマンス"もですが、伝えられない想いを抱える女性と、その想いを込めた熱い視線を受けながらも気づきもしない鈍感な男性の、切ない恋愛劇を描く印象でしたが、本作で描かれる女性たちはハレンチ女だらけで、不確定多数の男を都合よく気持ちよくしておきながら、恋愛を語るという激しい短編集でした。
ただ、本当に意味がわからないと思ったのは6作中、「レバニラ」と掲題の「さよならデイジー」のみで、それ以外はどうかと思うところもあれどマンガとして面白かったです。
なお、「レバニラ」はイケない女性が、階下のおっさんを誘ってヤる話で、ただのエロ漫画でした。
お姉さんのイク描写がご丁寧に見開きという大サービスっぷり。
ただエロさはあまりないです。おっさんキャラクター濃すぎですしね。
掲題の「さよならデイジー」はシンプルに意味がわからなかったので割愛します。

1作めの「エヴリデイ」と「爽快サイケデリック」は良かったです。
特に「エヴリデイ」は無職の男が家に招いた飲み屋で出会った女性は、実は男でオカマだったという内容で、報われない日々に立ち向かう二人が描かれていて、名作と思います。
「爽快サイケデリック」も、メンヘラ臭の凄い女性がある男性に片思いをする話で、くすりとしながら読みました。

「おやゆびひめ」、「つなぐ夜」もHENTAI女が主役ですが、この二作についてはテーマのようなものが伝わってきました。
群衆の中にある孤独、自分の価値、それは女性に限らず探しているもので、虚像の評価に翻弄されず生きることに向き合う姿は、ちょっとかっこいいと思ってしまいました。

全体的に良かったですが、こんな短編を描くとは、驚きです。
ただ、本作を読めば、"恋は雨上がりのように"のラストもなんか納得ができる気がします。

さよならデイジー 眉月じゅん初期短編集

レビュー(21)件

完結・全1巻

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3年前

5.0

世界観に引き込まれる。

九龍ジェネリックロマンス

レビュー(704)件

既刊10巻

4.1

10巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

45歳のファミレスチェーン店の店長「近藤正己」と、彼に恋をしてしまった女子高生「橘あきら」の話。
近藤は頭にストレス性のハゲがあり、愛煙家で決して尊敬されない典型的な冴えないおじさん、一方、橘あきらは長身でスレンダーなボディーを持つ容姿の整ったクールな女子高生で、女子高生好きの変態中年であればこれ幸いと不道徳的な交際が始まるのでしょうけど、近藤は極めて常識的な倫理観を持っており、年齢差からあきらを恋愛対象として見ることができない。
そんな二人のドラマを描いたものになっていて、各々の想いと胸のもやもやが少しずつ解きほぐされてゆくストーリー漫画となっています。
全10巻と長くなく短くない巻数となっていて、最終回でこの恋の決着がつきます。
サブキャラクターの話や、幕真の回も挟まりますが、基本的に一本道で、いつしか始まって終わるべくして終わる物語となっています。

なお、本作のラストは各所で言われている通り物議を醸すもので、否定的な意見が目立つものになっています。
私的にはこの終わり方はあるべき姿だったと思うのですが、感想を書く上でそのラストに触れないわけには行かないため、「ネタバレあり」で書かせていただきます。

ラストは、端的にいうと両想いとなりながら近藤はあきらを振る結果となります。
近藤は自分の中に芽生え始めるあきらへの想いを恋心と認め、言い訳ができなくなってしまう。
元日、あきらは近藤の家を訪れる。やがて暗くなる風景、家まで来るまで送ると提案する近藤だが、離れがたい気持ちになり一緒に初詣に行くことを提案する。無邪気に喜ぶあきら。
初詣が終わり、あきらは近藤の家に戻ろうと言うが、「あの部屋に戻っても、できることは何もない」と伝える近藤。
二人の関係はこれで終わりとなります。

付き合うことはできないと伝えるわけではない、はっきりとしない曖昧な終わり方となっています。
あきらも落涙するわけでもなく、きっぱりと引き下がり、次のシーンでは笑顔で陸上に打ち込む姿が描かれています。
情熱的だったあきらのアプローチもなかったかのような展開にあっけに取れられるラストとなっていたことは否めなかったです。
ただ、近藤は想いを抱えながらも一度も手を出さずに、相手のことを真剣に考えた結果その言葉になったわけで、とても真摯な終わり方だったと私的には思います。

近藤の回答はあきらの「好き」に対するそれではなく、雨はもう止んでいるから、この傘は閉じて青空に駆けてゆけばいいと告げており、婉曲表現ではありますが、あきらにとってそれは一番必要な言葉なんだと感じました。
きれいで、素敵な話だと思いますが、曖昧ではっきりしない、徒然とした物語のため、そういう話は苦手な方にはおすすめできません。
また、おっさんとJKと聞いて即座にエロスを妄想する方にもおすすめできません。残念ながら。

恋は雨上がりのように

レビュー(581)件

完結・全10巻

4.0

4巻まで読みました

世界観が好き。
でも不穏な予感。2巻。

九龍ジェネリックロマンス

レビュー(704)件

既刊10巻

4.6

10巻まで読みました

めちゃめちゃ良い

恋は雨上がりのように

レビュー(581)件

完結・全10巻

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