この漫画のレビュー

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3.62

491件の評価

4.5

15巻まで読みました

就職後3ヶ月で退職し、傷のついた経歴書とそこで負ったトラウマから転職できないままコンビニバイトと仕送りで生計を立てている「海崎 新太」。
ある日、実家の母から、実家に戻ってこないなら仕送りを打ち切ると言われ、途方にくれるが、そんな折、リライフ研究所の職員を名乗る謎の男「夜明 了」が現れ、新太に"リライフ被験者に選ばれた"旨を告げる。
"期間は1年間"、"1年間の生活費は保証する"、"協力すれば、1年後、就職先を紹介する"という条件だったが、その内容は、『若返るクスリを飲んで、1年間高校生活を送る』というものだった。
明らかに怪しい話に懐疑的であったが、新太は酒の勢いで、受け取ったクスリを飲んでしまう。
了の言った通り、見た目が高校生に若返った新太は、言われるまま、2度めの高校生活を送り始める、という内容です。

元は、マンガアプリ・comico掲載のWebマンガ。
その名残で、書籍で読んだのですが、中身はフルカラーで絵やコマ割りがWebマンガっぽいです。
私的には、Webマンガって最初にインパクトを出してつかみにいくイメージがあるのですが、設定は奇抜ではあるものの、作風は非常にゆったりとした雰囲気を感じました。
ただ、紙で読むとWebマンガっぽさがやっぱり気になるので、アプリで読んだほうが良かったかもしれないです。

端的に言うと、見た目だけ若返ったおっさんが、高校生に混じって高校生活を送るマンガです。
1年経つと、同級生たちからは主人公に関する記憶が消え、写真などにも残らないという、超ご都合展開です。
はじめは高校生の中に入って生活することに抵抗を感じていましたが、持ち前のコミュニケーション能力でクラスに溶け込み、問題事を解決に導きます。
1年で周囲の人は記憶が消えてしまうため、新太はできるだけ距離を置こうとするのですが、たくさんの思い出を作ってしまう。
そんな、胸のもやもやを抱えた1年間の記録となっています。

非常にご都合主義です。
謎の研究機関が開発したクスリが物語の要になっていますが、ノーベル賞どころの話じゃないこの謎の新薬は、"リライフ"という社会不適合者再生プログラムの実行にのみ役立てられており、謎のクスリに対する伏線回収はされないです。
あくまで、リライフというプログラムに参加した「海崎 新太」が、社会復帰する物語となっていて、サスペンス要素は無いです。
また、新太はリライフ中に同級生「日代 千鶴」が気になりだしてしまいますが、そういったポジションから恋愛は禁止されてはいないものの、絶対にしてはいけないものであるはずで、明確に好きあっているのに恋愛できない、好きになってはいけない二人の切なさが描かれているのも見どころだと思います。
どうせ記憶は消去されるんだから「やりたい放題やってウェ~イ」とならないあたり、主人公はとても真面目だと思いました。

ラストも、ご都合主義展開でハッピーエンドにするのは個人的に大好物なので、とても良かったです。
ハッピーエンドにした上で、まさかそうつなげるかと驚きました。
いかにもWebマンガな絵柄で最初は尻込みしましたが、想像以上に良作でした。面白かった。おすすめです。

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