この漫画のレビュー

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4.0
3.0
2.0
1.0
4.15

926件の評価

4.8

SKET DANCEの作者、篠原健太のSF作品。
無作為に集められた9人の高校生が、惑星キャンプの最中に謎の球体に吸い込まれ宇宙空間に投げ出されてしまう。
偶然近くをさまよっていた無人の宇宙船にメンバーは辿り着くが、そこは遥か5012光年も離れた場所だった。
水と食料が限られた状況下で彼らは、水と食料が調達可能な星をステップすることで、帰還が可能であることを確認。
帰還に向けて宇宙航路の旅が始まるという展開になっています。

少年たちが宇宙に投げ出されてサバイバルをしながら帰還を目指すこの手のジャンルは既に散々手垢が着いていて、今更何をやっても目新しさを感じないと思っているので本作も全く期待せずにページをめくったのですが、これがすごく面白かったです。
先人は多々いますが名作が多く描くのが難しい内容なので、本作も中途半端に冒険譚、友情譚だけ描かれて終わるんじゃないかと思ったのですが、全然そんなこと無く、全編にわたりプロットが綿密に作り込まれていて、伏線回収も見事でした。
普通に本作原作で洋画で映画化されたらヒットしそうな内容で、ワンクールアニメ以外に大したメディアミックスがされておらず話題にならないのはもったいないレベルだと思います。

SF的な作品ですが、ミステリー要素もあり、メンバー達の過去、奇妙な符号、謎の球体やたまたま浮遊していた宇宙船の謎など、きちんとした説明があり、たったの5巻という短さの中に全て収められているのもすごいです。
また、作品によっては一週間も持たずに殺し合いが始まりそうな状況ですが、笑いを交えてライトに読めます。
文章量もそれほど多い印象は無くて、テンポが良く、非常に読みやすいです。
ストーリーは壮大、なのにあくまでスポットは少年たちにあたっていて、世界がひっくり返る秘密が詳らかになった後も、「そんな事より恋バナが大事」みたいな雰囲気を崩さなかったのも良かった。

すごく良い作品でした。
SKET DANCE未読なので、そちらも読んでみたいと思います。

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