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五十嵐大介
3.90
3506
発刊:2016.02.23 〜
完結・全5巻
自然界を超越した異形の生物──HA(ヒューマナイズド・アニマル)。それは遺伝子を”設計”された、ヒトと動物とのハイブリッド。HAが備える驚異的な身体能力は、野心を抱く人々の策略によって殺りくの現場へと投入され、その真価を発揮していく。ヒトは何のためにこの異形をデザインしたのか──その背景には、人類の未来へとつながる壮大な計画が横たわっていた! 稀代の表現者・五十嵐大介が放つハードSF、ついに登場!
41件の評価
せーふぁ
5.0
圧倒的バイオサイエンスフィクション。遺伝子学による人工的遺伝子組み替え・設計によってヒトの姿を獲得した動物、ヒューマナイズド・アニマル(HA)が戦争兵器として駆り出される世界が舞台。板垣巴留先生の『BEASTARS』とは似て非なる真逆のものです。五十嵐先生の素晴らしい筆致による動物たちの環世界(全ての生物は各々の感覚器官を用いて世界を知覚しているという生物学用語)、映画のような華麗なコマの間の取り方。セリフがない絵だけのページでも、情報量が凄いです。もはや絵がセリフ(?)主人公のカエルのHAとイルカのHAたちの戦闘や内面描写を通して、動物の環世界を想像できますが、その描写が秀逸。(もちろんヒトには知ることはできません)がしかし、彼らを創った科学者、オクダの環世界はもっとすごい。もはやホラーでした。本作には明確な「悪」はなく、正しいものもありません。その中で、最終巻でのオクダの台詞「病は生物の隠された可能性の発現だ」は凄く印象に残りました。そして、「今の環境では病でも、条件が変われば生存に有利な特性となり得る」と続きます。つまり、いま自分が置かれている状況は主観的に辛くても状況が変わればそれは武器にもなる。チャップリンの名言「人生はクローズアップで見ると悲劇、ロングショットで見ると喜劇」に少し通ずるものがあります。物凄く深く、考えさせられました。名作。
かわこ
圧倒的な世界観に、心打たれ、息が詰まるような感覚が何度もありました。バイオSFなのですが、生命倫理などは現在数々の起こっている問題にも通ずるものがあり、決して他人事とは思えないです。商業的な娯楽要素の高い漫画とは一線を画す作家さんかと思うので、読む人を選びそうですが、私はここ数年で1番心に刺さる漫画でした。
りんちゃん
3.3
リアルテラフォーマーズ!!
sosuke_m
2019年10月23日:本日発売のコミック新刊
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