さよなら絵梨

藤本タツキ

3.86

-370

発刊:2022.07.04 〜

完結・全1巻

『さよなら絵梨(1)』巻の書影
そらさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.86

751件の評価

4.6

1巻まで読みました

藤本タツキ氏の読み切り作品。
コミックス全一巻完結です。

主人公の優太は12歳の誕生日に両親から初めてのスマホを買ってもらいます。
病気で死期が近い母は優太に、そのスマホで母親のこれからを撮り続けてほしいとお願いします。
自分が死んでも動画を見れば思い出してくれるから。
母の言いつけどおり優太は母親を撮り続けます。
水族館に行った時、料理をする姿、眠っている姿、動画データがやがて100時間を超えた頃、母がもうそろそろダメだと知らされます。
母の死に際へ向かう、父と優太ですが、優太は病院から逃げ出すとおもむろに病院が爆破!

そんなクソ映画を発表したため、学校のみんなから叩かれた優太は死を決意するが、そんなときに出会った少女・絵梨にもっと面白い映画を作って欲しいといわれ、一緒に映画を作るボーイ・ミーツ・ガール。
コマ割りが独特で、基本的に1ページに横長の4コマ構成です。
主人公目線、あるいは、主人公が撮影したスマホ目線のPOVのようになっていて、無音のコマも多く、コマの流れで時間を感じられるような描き方です。
まるで映画でも見ているような作品で、静かな雰囲気ですがテンポはよく、ウィットさがあるタツキ氏らしい作品でした。

ただラストが酷いです。
それまで素晴らしかったのに、一気にクソマンガ(褒め言葉)になりました。
これを叩くと、優太のように自殺を考えるぞということかもしれないと思うと、映画ではなくマンガに表現を変えたループの一貫に自分もいるのかもしれないです。
あるいはタツキ氏が絵梨のような美少女と作品作りするという願望につなげるための伏線なのかもしれないです。
二度、三度読みましたが、とても面白い作品です。おすすめです。

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