藤本タツキ短編集「17-21」

藤本タツキ

3.71

2697

発刊:2021.10.04 〜

既刊1巻

『藤本タツキ短編集「17-21」(1)』巻の書影
むるそーさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.71

273件の評価

4.4

1巻まで読みました

チェーンソーマンの作者、藤本タツキ氏の短編集。
氏の17歳から21歳ごろに描いた作品が収録されていて、その2ヶ月前には22歳から26歳までの短編が収録された"22-26"も発売されています。
収録作は4作で、それぞれいつ頃に描かれた作品かの解説は無く、また、そもそも年代で並んでいるかも不明です。
ただ、絵の構図やストーリー展開を鑑みるに、年代順なのかなと思います。

各作品の感想は以下の通りです。

<庭には二羽ニワトリがいた。>
宇宙人に侵略されて人類が絶滅したと思われる地球が舞台。
ニワトリに変装して危機を逃れた男女が、宇宙人の学校の庭で飼われているというストーリーです。
絵は荒削りですが動きがあって読みやすく、設定も突飛で新しいです。
バッドエンドなのですが、どこか悲壮感は少なく、シュールな面白さがある作品でした。

<佐々木くんが銃弾止めた>
ある日の授業中、拳銃を持った男が押し入ります。
彼は川口先生に振られたショックで逆恨みをしているのですが、生徒を守るため川口先生は、自分はどうなってもよいから生徒を開放するよう要求します。
男は川口先生にセックスを要求するのですが、川口先生にほのかな思いを寄せていた佐々木くんは、冗談じゃないと犯人に食って掛かります。
そして、タイトルにつながる内容です。
マンガが半分以上過ぎてようやくタイトル表示がされたときは笑いました。
ただ、ラストは謎の残る作品で、結論は出ないまま終幕となりますが、そこが良いと思わせてくれる作品でした。

<恋は盲目>
生徒会長が役員のユリくんに気持ちを伝える決心をして、嵐の中、一緒に帰宅する内容です。
生徒会長の用事や突然現れる強盗など、妨害が入るのですが、一直線に思いを伝えるために、それどころじゃない状況です。
勢いがあってすごく良い作品だと思いました。
また、ツッコミなしに挟まる「銀河ヒッチハイク・ガイド」ネタも良かったです。

<シカク>
死ねない吸血鬼が、常識的な感情を持たない殺し屋『シカク』に自分を殺すことを依頼するという内容です。
異状な形の恋愛マンガで、独特の空気感がありますが明るく、他作品同様に面白くて読みやすいです。
あと、恋煩いに悩むシカクの描写がエロくて素晴らしかったです。

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