チ。―地球の運動について―

魚豊

3.85

13963

発刊:2020.12.11 〜

既刊3巻

『チ。―地球の運動について―(1)』巻の書影
『チ。―地球の運動について―(2)』巻の書影
『チ。―地球の運動について―(3)』巻の書影
青木さん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.85

228件の評価

4.8

3巻まで読みました

このレビューにはネタバレを含みます。

地動説と天動説の宗教論争を元に、フィクションを交えて再構成された壮大な歴史もの。科学や哲学等の知識、またそれらに関連する人物は実在のものが使われていますが、地動説を異端として弾圧する「C教」はモデルとなった宗教よりずっと過激で抑圧的な思想となっています。天動説と魔女裁判が合わさったようなイメージですね。真理を追い求める一部の者たちが、犠牲を出しながらも研究結果を次世代へ託していく非常に知的好奇心が刺激される秀逸な作品です。
ロマン溢れる科学描写も素晴らしいのですが、この作品の凄いところはそれに神や死といった宗教的な概念も絡めている点にあります。人が住まう地上は混沌としているが、その試練を乗り越えたとき、人は美しい天国へ行ける。――でも地が天と一緒に動くなら、世界がもっと単純な理屈で出来ているならば――地上もまた美しく、神に愛されて作られたものだと証明できる。神に愛されているならば、世界に希望が持てる。地動説という科学が、魂の救済にも繋がっているんですよね。
また既成概念を打破する、何も疑問を挟む余地がなかった「普通であり、当たり前のこと」を疑うという姿勢は、現実においても大いに参考になるものだと思います。
多少難しい内容もありますが、細かいところは読み飛ばしても充分理解できますし、漫画関連の賞レースに多数ノミネートされるなど、各所で注目を集めている作品なので一度読んでみたらいかがでしょうか。オススメです。

名作

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