伝説のロックバンドのギタリストを父に持つ女子高校生・保坂磨音(ほさかまお)はアマチュアバンド「アルタゴ」のメンバーになる。歌が上手くて美人でミステリアスな親友・支倉夜祈子(はせくらよきこ)も絡んで練習やライブに挑む彼女の青春漫画。バーズコミックス「空電ノイズの姫君」全3の続編ですがここから読んでも大丈夫です。冬目景さんの最新作を是非どうぞ。
もともと「空電ノイズの姫君」という名前でしたが、本作から出版社を移籍し、連載再開した続編です。 まず主人公の、タイプの正反対の女子2人がそれぞれ特徴的でかっこいい!クラスの中で違った種類のマイノリティ同士が、その状況をどうでも良いと伏し、学校という枠をこえて得た外的要因の中で成長し、感情を揺らしていく様は非常に痛快です。 バンドものはこれまでにも色々ありましたが、描き出される状況や情景が割とリアルに寄っていて、読んでいてバンド活動に対するイメージとして変な乖離がないのもグッドです。作者の趣向やリアルな音楽的バックグラウンドを感じさせるのも心地よい。 特に、磨音が観客の少ないライブで吹っ切れて、ギターをかき鳴らすシーンは鳥肌!こんなライブに立ち会えることが羨ましいと感じさせる素敵な描き方でした。
by tomoki (83)毎年、いいところまで行くのに「あと一歩」が続く微妙な私立高校・木登学園(きとがくえん)のサッカー部。2年生の主人公・今中(いまなか)はドリブルが武器のフォワードだ。だが彼は、監督が日々繰り返す「勝つ為に無難なプレーに徹しろ!」という方針に正直、なじめない毎日を過ごしている。チームメイト達も、程度の差はあっても疑問や不満が膨らんでいる。そんな危うい状態だ。ところがある日、事件が起きる!3年生が引退し、新チームが動き始めるタイミングで監督が他校の引き抜きに応じてしまったため、体制がガラッと変わったのだ。そして、大昔の名選手・クライフに心酔する新監督の口から発せられた言葉に部員達は息を呑む…「勝つことにこだわっても、どうせどこかで負けます。だったら美しいサッカーにこだわりましょうよ。最高の負け試合をして、絶頂の中で美しく散りましょう!!」おいおい…いいのかそれで!!?俺達の最終学年、この中2病みたいな監督に任せちゃって本当にいいのか!!?