世界が崩壊しても、片想いは終わらない。 押見修造(漫画家)、驚嘆。 志村貴子(漫画家)、恐怖。 村田沙耶香(小説家)、絶賛。 高月(こうづき)かのん、23歳。 高校時代からストーカー的に想いを寄せる境(さかい)先輩と、 アルバイト先の喫茶店で再会を果たす。 でも、いけない。 先輩は世界の英雄で、そして他の人のモノだから。 ストーカー気質メンヘラ女子の痛すぎる恋に、共感の嵐です!
あずさは、いじめから逃れて都会から田舎に転校してきた中学2年生。自分の身を守るためだけに、クラスのリーダー格・春日と付き合っている。春日から執拗ないじめを受けながらも屈しない河口と出会い、自分も強くなろうと決意するあずさ。だが、勇気を出して春日に別れを切り出したとき起きてはならない事件が──!?【同時収録】番外編セカイのはじまり
~2001年から今年にかけてビッグコミックスピリッツ・サンデーGXで発表された「最終兵器彼女」読切番外編が、いよいよ単行本化…!! カバーイラストは作者描き下ろしの「最終兵器前のちせ」。学校指定ジャージと制服で友達とおしゃべりしている、そんな素朴であどけないちせちゃんが目印です。 また特別に四コマ誌「まんがくらぶ」に連載された「私たちは~~散歩する」より、「あの二人」に似た二人が登場する「episode#4: The couple of love beginners.」をフルカラー化して収録。 今回、単行本化にあたり、「世界の果てには君と二人で。あの光が消えるまでに願いを。せめて僕らが生き延びるために。この星で。」「スター☆チャイルド」をカラー演出を含め大幅に贈ページ&リファインしました。 さらに、イラスト集「LOVE~~ SONG 2002」未収録の「最終兵器彼女」イラストレーションを集めた、豪華ギャラリーページを8p収録! 掲載時読まれていた方も未読の方も楽しめる作りになっています!!~
自分の気持ちを素直に言えずに、友人たちとなあなあな付き合いをしてきた涼。修学旅行中、友達と旅館の掟を破ってしまった涼は「のの村」という村に流れ着いてしまう。こののの村には実は秘密があり、、。不気味な村からの脱出劇を描いた作品。 主人公がとにかく軽率というか、あまり応援できるタイプではない。過去に男に襲われたというトラウマがあるにも関わらず、のの村で出会った新という男と雰囲気に飲まれてヤろうとする精神がよくわからない。 肝心のストーリーも、本当にそれで大丈夫?と展開が心配になる部分がちらほら。前作の「出口ゼロ」が良作だったから、それと比べてしまうとだいぶ劣ってるなという印象。 途中の不安要素が大きかった分、ラストは綺麗にまとめてくれてほっとした。
by れとれとさん (961)日本海側のある海沿い。徒歩5分に自殺の名所があるオーベルジュ・ギルダに"すもも"は向かっていた。死を決意した彼女は、最後の願いに、かつて憧れていた女性・夕雨子に会いに来たが、店に入ると夕雨子が刃物を突きつけられている場面に遭遇し……!? がけっぷちのオーベルジュで紡がれる悲劇と喜劇のロマネスク。
To be or not to be. (生きるべきか、死ぬべきか。) 某所、海沿いの岬にある自殺の名所。 そこから徒歩5分にあるオーベルジュが物語の舞台。 宿泊にやってくる客は、岬で自殺を試みようとする人たち。 主人公も当初は自殺を企図していましたが、ひょんなことからこのオーベルジュで働くことになります。 各話が独立していますが、本筋は主人公の自殺の動機及び彼女の人生と、元アイドルで今はオーベルジュで勤務する女性スタッフの過去について。 作画がストーリーとマッチしていて、幻想的な雰囲気があって良かったです。 やっぱり6話が印象深いかなあ。 あとがきで作者様が仰っていますが、2020年にこのような作品に巡り会えて良かったと思います。 今のような閉塞感に拍車がかかった時代だからこそ、読むべき作品。
by せーふぁ (1046)「近所に世界の全部がある―――」ハダカで笑って、ゆっくり泣いて、近くの遠くまで散歩しよう。きっと大切になる、10年の月日と17つの物語。《収録作》『ハダカヨメ』ひとり裸で家事を楽しむ妻。そんな秘め事を知らぬ夫。結婚2年目の夫婦が直面する知られざる小さな大事件。『はっぱの人』離婚して失意に沈む男が頭に葉っぱの生えた店員に助けを求める。葉と愛の発生の瞬間。『サイコンクエスト』ママの再婚相手が現れた。決戦は誕生日。パパを忘れられぬ子が勇者となる成長譚。他、多数の作品を240ページの大ボリュームでお届けします。『このマンガがすごい! 2020』(宝島社)オトコ編 第9位『パンダ探偵社の』の著者・澤江ポンプが贈る最高のユーモア。
大正十四年(一九二五年)、桜舞う春に作家を志す23歳の文学青年・小林秀雄は上京してきたばかりのまだ18歳の詩人・中原中也と運命的に出会う。自意識の殻に閉じこもり、創作の迷路に入っていた秀雄に衝撃を与えて、彼の生きざまを根っこから変えていく中也… そして中也には同棲する一人の女・長谷川泰子がいた―― 事実を基にフィクションを交えて描き出す、文学に人生すべてをかける中也と秀雄… 『彼女とカメラと彼女の季節』月子が描き出す! まだ無名だった二人の切なく物狂おしい物語が今、ここに始まる…!!
早熟の天才詩人、中原中也とのちの近代文芸評論(作品を批評するだけでなく、文学史そのものの研究や作家と作品の研究も含み、守備範囲はとても広い)の確立者とされる小林秀雄の人間ドラマ。 恥ずかしながら詩を読んで味わえるような感性を持ち合わせていないので、物語とともに中原中也の詩が綴られても、どう読めばいいのかわからなかったです。 これはすごいんだろうなとはもちろん流れでわかりましたがそれ止まり。。 むしろ、中原中也と小林秀雄の天才どうしの出会いやさまざまな葛藤といった人間ドラマの方に惹かれました。 この文学者特有の苦悩や葛藤は、今の私たちにはあまり理解し難いものかもしれません。 例えば、芥川龍之介や太宰治といった文豪がこの苦悩や葛藤の末に自殺を遂げたのは、現代の私たちが考える「自殺」と彼らの考える「自殺」には大きな考え方の隔たりがあったのが要因とされているそうです。 実際に自殺に至ることはなかった中原中也と小林秀雄。もっとその前の、当時の文学者としての苦悩や葛藤を、月子先生の柔らかい作画で読むことができ、楽しめる。 その点で凄く入り込めました。ウィキペディアで彼らのその後を読むと切なくなります。 作品としては打ち切りエンドだそうですが、それでも面白い。味わい深い作品ですね。
by せーふぁ (1046)