ロック伝説はオレが作る!万年いじめられっ子体質を脱却すべく、キムロックことロクスケが弾けないベースを片手に突っ走……れたらいいなぁ~。身寄りをなくしたイジメられっ子・ロクスケが、心機一転、ロックを武器に銀座ハピネス商店街へやって来た。今日から居候する寺の孫娘・なごみ(女子高生!!)と出会うも、商店街を荒らす不良集団にも遭遇してしまった!暴力団の二代目というキングを相手に、ロクスケはロック魂を見せられるのか…!?エセロッカーと判明したロクスケは、さらに予備校生で引きこもりだった!?居候先の住職・三九や、その孫娘・なごみはミョーに激烈キャラだし、こんなんで目標の「ロック伝説」は作れるの…?キムロック(自称)の成り上がりヒーロー列伝、ここに開幕!!
ギャグ漫画「バニラの招待状」(93年~94年「グランドチャンピオン」連載)、「この素晴らしき世界」(93年「コミックスコラ」連載)の2冊をまとめた『カステラショック』が発売されたのが1997年。その後出版元を変え、2001年に復刻版として発売されたのが本書である。表紙をはがすとなぜか装丁デザイナーの姿が現れるという妙案にも、作家のギャグ心が感じられる。 <p> 「あとがき」によれば著者は駄洒落ネタが多い「この素晴らしき世界」があまり好きではないらしい。だが、「バニラの招待状」でもヘタウマ系の絵と駄洒落ネタの組み合わせは健在であり、この作家の本質は案外ここにあるのかもしれない。 <p> 本書に収録された4コマに次のような作品がある。タイトルは「真剣勝負」。向き合うふたりの侍。侍Aは刀を構え真剣そのもの。だが侍Bは刀も持たず両手をあげてヘラヘラしている。怒ったAが「真面目にやれっ」と斬りつけると、Bはその切っ先を真剣白刃取り。同時に「ふまじめ白刃取り!」と叫んでこれがオチとなる。 <p> 「ハズした笑い」好きにはたまらない1冊である。(中山来太郎)