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『空色スクエア。』の書影

空色スクエア。

3.25

268

発刊: 2009.7.2 ~

完結・全4巻

「幼なじみ」ってもどかしすぎる!アイドルと記憶喪失…二人の濃い(?)幼なじみの狭間で揺れる恋心の行方は――!?透き通るほどに繊細な青春を海沿いの小さな街に浮かび上がらせる、著者初のコミックス!!

 表情、風景など描かれている様子が非常に芸術的で、バックストーリーなどの説明が一切なく、ただキャラクターが細かく話し合うだけでストーリーが進んで行くような、読者が自分で解釈できるタイプの青春ドラマです。人間の感情は本来見えない物なので説明しない方が現実味を感じますし、自分の中で読み解いたほうがより心に強く残りやすいと思うので、個人的にはかなり満足しました。  多くの美しい描写が見られましたが、その中でもキャラクターの衣装が一番素晴らしかったです。よく着替えるキャラクターが1人いて、その見た目だけで同じ人物でも受ける印象がだいぶ変わることが多く、話の中で内面の変化している姿をよく感じることが出来ました。  あとキャラクターの内面も良かったです。けっこうキャラクターが特殊な立場にいるような設定でしたが、内面にはけっこう年相応らしさを感じました。感情の波がそこまでわかりやすく描かれていたわけではないですが、それも出来るだけ抑えようとしていてもちょっとした瞬間に溢れて来るような感覚を強く感じることが出来たので、子供と大人の中間くらいの年齢にはリアルだなと思いました。  ただ、好きじゃないキャラクターもいました。他の音が静かなトーンと全然合ってないキャラが1人いて、それに焦点が当たってるときは基本他と比べて浮いている上に、いつも似たようなことばかりしていたので、キャラクターとしての必要性は理解できましたが、気持ちが離されてしまう時が多かったです。もう少しこのキャラクターにも人間味を与えてそのトーンの違いを違和感なく吸い込めるようにして欲しかったです。  4巻かけて1つの話をずっと続けている上にかなりスローペースな展開だったと思うので、けっこう好みが分かれるタイプの作品だと思いますが、リアリティよりも感情の変化に重きを置いた青春ドラマが好きな人にはかなりおすすめな作品です。

by コンテナ店子 (1)
『スクエアな関係』の書影

スクエアな関係

157

発刊: 2007.9.1 ~

完結・全1巻

『ゴールドスクエア』の書影

ゴールドスクエア

9

発刊: 2021.2.3 ~

既刊1巻

【光属性の芸人×素直になれない若手俳優】「世間に見せない、素顔を見せて。」売り出し中の芸人・吉野は妹に連れられて行った観劇で人気の若手俳優・葛城カンナの美しさに目を奪われる。ネット上でカンナが「男と枕営業している」という噂を知って驚くが、仕事場でカンナが男性スタッフと部屋に入っていくのを見てしまう。「使えるもん使って何が悪い」と開き直るカンナに反発を覚えつつ、次第にカンナの弱い部分に惹かれていって―――。

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