自身の欲望を満たすため、暴虐の限りを尽くす異能の者たち、それが「欲鬼」。そんな欲鬼たちを自らの持つ「正義欲」が求めるままに裁きの鉄槌を打ち下ろす主人公二十正人(じつなしまさと)。欲望と欲望がぶつかりあり、殺しあう欲望の化身たちのあくなき戦いが、今ここに始まる!
大学進学のため栃木から上京する百草みのりには、誰にも言えない秘密がある。それは、皆がドン引きする程の食い意地の張った女の子だということ。食の誘惑に溢れる摩天楼・東京で、“もぐささん"のひとり暮らしが始まるが…!? 大人気コミック『もぐささん』、第2部スタート!!!
『もぐささん』の続編。 大学に進学し、地元栃木から東京に出てきて一人暮らしをすることになった「百草みのり」。 大学進学をきっかけに自分の底なしの食欲を自制し、『一日三食で間食なし』を目標に、食欲と闘うことを決心したもぐささんの日々が描かれたものとなります。 前作から舞台が変わり、キャラクターは一新されます。 前作のキャラも登場しますがチョイ役程度で、前作の主人公だった小口くんですら、料理の修行のため京都に行っており、登場シーンは少ないです。 そのため、続編ですが、前作は読んでなくても楽しめると思います。 序盤は一人暮らしを始めたもぐささんが、バイトを始めたり、大学生活をスタートさせる場面が主になります。 中盤以降、バイト先や大学の友達との交友、グルメサークルの活動の中、自制の利かない食欲に翻弄されて奇行をしてしまう展開です。 ただ、前作のようなステルス食いや目を欺いてバレないように食べる展開は少ないです。 食い意地の張った女の子が、それを恥じてひたむきに隠すのですが、たいてい残念な結果に終わる日常を綴ったものとなっています。 恋人の小口くんとは遠距離恋愛となり、もぐささんに惹かれるサークルの先輩は登場するのですが、即時玉砕します。 そのため、作中恋愛要素はほぼ無いです。 正直なところ、もぐささんを引き立てていた小口くんが本作中にいないためか、あまり主人公に魅力を感じられませんでした。 個人的には小口くんはなよなよしていて好きになれませんでしたが、本作を読むと小口くんは必要だったんだなと思います。 デフォルメされたギャグシーンが多く、温泉回や水着回などのサービスカットもありません。 もぐささんの可愛らしさで成り立っていたところがあった作品からそれを奪ってしまっており、前作のほうが個人的には好みです。 ラストも畳み出すのが唐突な感じがありました。 ただ、食欲と戦っていたもぐささんが、自分の食欲と向き合い、人として大きく成長する姿を描き出したのは良かったと思います。 前作もですが、気になる点はありますが嫌いにはなれない、良作だと思います。
by うにたべたい (528)成田初(ハツミ)は高校2年生。初の家は社宅で、ここでは会社に厳しい上下関係が近所づきあいにも反映されている。ある日、同じ社宅に住む大嫌いな亮輝(リョーキ)に弱味を握られてしまった初は、秘密にする条件として「奴隷」になることを約束させられてしまい…!?話題のご近所ラブゲーム!!
結構古い漫画なのですが、2019年6月予定で映画化されるというので再読しました。 社宅の閉鎖的なご近所関係を舞台にした漫画で、その社宅では夫の社内でのポジションによる封建制度が露骨に成り立っているという設定になっています。 主人公「成田初」は妊娠したかもしれないという中学3年生の妹のため、妊娠検査薬を購入するが、その姿を「橘亮輝」に見られてしまう。 亮輝の父は会社の常務で、橘家はこの社宅で最も権力を持つ存在だった。 亮輝は初に、このことを黙っておく代わりに奴隷になるよう命令するという、とんでもないスタートで物語は始まります。 つかみはエロゲーみたいですが、この後、即爛れた展開とはならず、初たちの出生の秘密や不器用な恋愛ドラマが続くものとなっています。 意外にストーリーはしっかりとしていて、どんでん返しが何回かあります。 初を想う男性は複数存在するのですが、よくある逆ハーレム漫画にはならず、それぞれの事情を解決するためドラマが展開されます。 ときにはヒロインを置いて、男性同士でこっそり手を組んで独自で動くシーンがあるのも珍しい気がしました。 丁寧によく練られた展開をしており、先の気になる作品でした。 男性キャラは、時々少女漫画に出てくるなんでこんなダメ男がモテるのかという感じではない、納得のイケメンです。 クズってたり行儀が悪かったり頭が悪かったり、そういう男性が当然のようにモテるのがこの業界ですが、勤勉で容姿端麗なジェントルが揃っているので安心して読めます。 また、主人公は意志の弱い流され系キャラですが、こちらも読んでいてストレスという程ではなく、ストーリー、キャラクター共に優等生な作品だと思いました。 個人的には亮輝がお気に入り。 亮輝はこうありたいと憧れるキャラですが、実際のところ、女性から見ればちょっと高圧的すぎて引かれるんだろうなぁと思います。
by うにたべたい (528)