"昭和26年、京都。歴史ある料亭の長女・いち日(34歳)は、夫を戦争で亡くし、調理師としてホテルに勤めている。料亭「桑乃木」は経営破たん寸前で、資金を提供してもらうため、大阪の有力者の家の三男・周(19歳)を婿として迎えることに。その結婚相手のはずだったいち日の妹は、結婚を嫌がって料理人と駆け落ちしてしまう。15歳も年下の婿を迎えることになったいち日――。年の差夫婦が織りなす、旨し麗し恋物語!"
『レイモンド』、『ラブやん』などを描いた田丸浩史のエッセイ漫画。 アラサーの田丸浩史が、マイフレンドのおっさんたちとエンジョイするという地獄のような内容です。 引きこもりが基本の漫画家の毎日にドラマチックな何かが起きるわけでもなく、ただ飲んだり、たまに散歩したりしたりする日々が描かれます。 田丸浩史も、デフォルメされてたり美少女化されているとかではなく、リアルな下っ腹が出た、毛の生えたおっさんです。 そして登場するキャラクターもおっさん、扉絵くらいはさすがにメガネっ娘が描かれてますが、基本はおっさんがわちゃわちゃするだけの一冊となってます。 例えば、ある日のヒロシは河原で4人で身体を焼くことにします。 河原で集うワイルド集団に通りかかる人は皆びしょ濡れだったに違いないそうなのですが、それはそれとして河原のゴミ箱で集団はエロ本を発見します。 そのエロ本のアップで見えていたおっぱいに、集団はそのおっぱいがキダアヤミだとかサエジマナオだとか、おっぱいソムリエ選手権始めるとか、そんな365日が綴られます。 作中常時こんな感じで、帯のあおりの言葉を借りると"何時もウェットかつワイルド"、そう、ヤツラはウェットかつワイルドです。 何が起きているというわけでもなく、ダメな大人たちによるダメな毎日が描かれるのですが、テンポは良く普通におもしろいです。 20年以上前の作品のため、今となっては古い話題も登場しますが、今読んでも十分楽しめると思います。 ダメな大人には違いないですが、それでも、こんな年齢までワイワイ騒げる相手がたくさんいるっていいなとふと思ったり思わなかったり。 ちなみに、問題発言や問題行動は多いですが、今だと時世的にNGとか、今だと炎上案件となる行動はないと思います。 線引が険しくなり、尖った行動がしづらくなった昨今で、彼らの行動はある意味すっきりするというか、勇気が与えられるような側面もあったりなかったりでした。
by うにたべたい (528)