それは──あったかもしれない。ラボメンたちとの物語。 大人気ゲーム『STEINS;GATE』のファンディスク『比翼恋理のだーりん』をコミカライズ! ラボメンたちのちょっぴりスイートな恋愛生活をお楽しみに!!
シュタインズ・ゲートのファンディスク"比翼恋理のだーりん"のコミカライズ。 ただし、ゲームのコミカライズは1冊目のみで、2冊め以降はオリジナルストーリーです。 作画は後に"ぼくたちは勉強ができない"を描く筒井大志氏。 "比翼恋理のだーりん"は本編、ZEROとは違い、ギャルゲー要素を前面にした作品で、女子率の高いラボメンとのIFのストーリーです。 ゲームでは一応、変動率3%のσ世界線が舞台となっていますが、マンガではそういった説明もなく、本編のストーリーとは関連しない形で、仲良しのラボメンたちが日常を過ごす展開となります。 各キャラの掘り下げはほぼ無く、紅莉栖以外のキャラは個性的な女の子で構成された岡部ハーレムのメンバーとして登場します。 鈴羽と紅莉栖も仲が良く、ラボメンとしては異質な存在だったはずの桐生萌郁も最初からデレているので、最初から違和感満載です。 本編とは独立した、お祭り的作品と見るべきだと思います。 鈴羽が未来を超えてきた理由(そもそもタイムトラベラーであることすら描かれない)も説明がなく、電話レンジ(仮)は登場するもののSERNにも狙われていません。 木手英一バリに珍妙な発明を生み出す便利キャラとなった牧瀬紅莉栖やダルが作った発明品で起きたトラブルにより、いやそうはならないだろうというご都合主義で二人は急接近するドッキリ展開となっています。 あまりの本編との乖離具合に受け付けられない声が多そうですが、私的にはこういうダメなやつ大好きなので、これはこれで良かったです。 ちょっと長めのアンソロという感じですね。 難しい話抜きで、ただきゃあきゃあするだけのシュタインズ・ゲートもありだと思います。 欲を言えば、もっと女の子が積極的で、岡部がギャルゲーの主人公らしく節操のない無自覚プレイボーイならよかったと思います。 どうせ全体的にキャラ崩壊してるんだから、岡部も盛大に崩して別キャラにして読者に寄せれば妄想も捗ると感じました。 それはそれで忌避感が出そうですが。 ラストはまさかのカップル誕生で終わります。 アトラクタフィールドは超えているとしてもこの展開は驚きました。 世界線が異なっているとはいえどうかとも思いましたが、ご都合主義の甘々な展開からのベタなハッピーエンドというのが大好物なので、個人的にはかなり好きなシリーズとなりました。 なお、3作とも登場するラボメンは"シュタインズ・ゲート"のメンバーで、"ゼロ"の追加ラボメンは登場しないです。 フルメンバーでの続編が読みたいなと思いました。
by うにたべたい (528)金髪お嬢様・琴音の密かな趣味は、フルダイブ型VRオンラインゲーム「Free Life Fantasy Online」だった! リア充な日々から一転、ゲーム内では暗いカタコンベで、ゾンビになってソロプレイの日々を送っていた。だが探索中に、謎のレアアイテムを手に入れたことから、琴音は特殊進化を果たすのであった…!?
イタリアのとあるアパートでは4人の中年男性がルームシェアして暮らしており、"5番目の部屋"を短期留学生向けに貸している。 4人のイタリア男、マッシモ、チェレ、ルーカ、アルを中心に、訪れる留学生と共に様々な物語が繰り広げられる話となっています。 直前に読んでいた同作者の"not simple"に比べるとかなり陽気で楽しい話です。 絵柄は"not simple"と同じなのにこうも印象が変わるものかと驚きました。 シンプルな線で、不運の連続からも光明を求めた洞穴のネズミのような"not simple"と比べると、イタリア的陽気さと恋とパーティーに彩られた本作は、月並ですが月とスッポンと形容するのに相応しいと思います。 物語としての完成度はとにかく、私的には本作のほうが好みです。 また、オノ・ナツメ作品はコーヒーとお菓子を準備して構えて読む必要がある作品が多いのですが、比較的ライトな感覚で読むことができる内容になっています。 本作は一続きの作品ではありますが一話一話で話が別れていて、途中で置いても問題ないと思いますが、似たキャラが多く、またキャラの出入りが激しいため、一度は通しで読んだほうが良いと思います。 他の作品同様、一本の映画を観るように楽しむ作品です。 本作は元々ウェブコミックで連載されていた作品に描き下ろしのエピソードを3本追加したものになっています。 追加エピソードもステキでした。 イタリアは窃盗や物乞いの多いイメージがあるのですが、本作を読むとイタリアに住んでみたくなります。 ラストはハッピーエンドですが、少し寂しさを感じます。一方で物語としてちゃんと結末があるスッキリとした作品でした。
by うにたべたい (528)