仮面ライダーの制作秘話が描かれたドキュメンタリー漫画。全1巻、4話収録されています。 タイトルこそ「仮面ライダーをつくった男たち」となっていますが、最初の一話は初代プロデューサー平山亨の話で、残りの2話から4話目までは大野剣友会にスポットをあてた話になっています。 個人的には、原作者の石ノ森章太郎はもちろん、衣装さんや構成作家、俳優さん、あるいは有名ファンなど、他の「仮面ライダーをつくった男たち」について深く掘り下げられていないのが少し残念と感じました。 不定期でいいからもっと続いてほしいなと思います。 作画は仮面ライダーSPIRITSでお馴染みの村枝賢一氏。本作のようなテーマでファンが安心して任せられる数少ない漫画家だと思います。 仮面ライダーにかける熱い情熱が、そして命さえもかけて仮面ライダーに全力を尽くす彼らの迫力がビシビシと伝わってくる作品になっています。 なお、村枝賢一作品らしく、登場人物が10倍増しでイケメンになっています。石ノ森章太郎先生かっけえぇぇ。 役者さんも少し登場するのですが、SPIRITSと同じ作画ではなく役者としての顔を描いていただけています。 村雨良ではなく、菅田俊が登場したシーンでなぜか感動しました。ただ菅田俊は本人の方がイケメンと思います。 ストーリーは、実質、平山亨と大野剣友会の2本立てとはいえ、ファンにはたまらない内容になっています。 バラック同然の細山スタジオ、マスクマンKの企画書、仮面ライダーの前進クロスファイヤー、そこからドクロのヒーローへ差し替えを提案するが却下をくらい飛蝗をモチーフとしたヒーローが登場するなど、ライダーは知っているが裏話はよく知らないという方にも、知識としてすでに持っている人にもおすすめです。 大野剣友会の面々に関しては、私自身、本編でのクレジットから彼らの名前くらいしか知らなかったのですが、その素顔(美化はされているのでしょうけど)が描かれており、大変興味深かったです。 巻末には大野幸太郎、平山亨、内田有作などの寄稿文が載っており、こちらもライダーファンは必見です。 かっこよくて感動できて最高でした!
by うにたべたい (528)仮面ライダー響鬼・劇場版のコミカライズ作品。 若干アレンジが加えられている他は基本的に原作を準拠した内容となっています。 劇場版響鬼はTV版企画段階では存在した戦国時代を舞台にした作品で、人々に蔑ろにされてバラバラになった8人の鬼たちが、オロチに苦しめられる人々を救うため手を取って戦うという、本放送とは別の時代の響鬼ら鬼たちの活躍を描いた内容になっています。 私的には、本作の劇場版ライダーは初めてラルクやランスを見たとき、いやそれ以上に衝撃のデザインでした。とても仮面ライダーに見えないフンドシでマッチョなライダーたちが登場します。 映像作品では冒頭で現代のヒビキさんや明日夢のシーンがありますが、本作では最初から最後まで戦国時代の話となっています。 そのため、本作中ではライダーという単語すらも出てきません。 ムキムキの鬼たちが、肉弾戦ではなく楽器を奏でることで戦っているので、響鬼未視聴で読むと意味わからなくなること請け合いです。 本作だけでも楽しめると思いますが、TV版を視聴しておくことをおすすめします。 作画についてはマッシヴな鬼たちを十分描けていると思います。 ただ、バトルシーンに関しては、動きがあまり感じられず、迫力が弱いと感じました。 凍鬼の音撃殴 一撃怒涛のシーンなど、良かったシーンもあるのですが、響鬼と歌舞鬼の戦うシーンはただの絵の連続になっていて、命を賭して戦っている様子にはとても見えませんでした。 役者さんはだいぶ特徴を捉えられています。ちょっと目がキラキラしすぎている気もしますが、雰囲気が似ていて映像作品のイメージを壊さないと思います。コミカライズ!って感じ。 映像作品はレンタルなりで視聴が難しいわけではないので、わざわざコミックで読むメリットはないと思います。 私はコレクターズアイテムとして所持していますが、よほどライダーマニアというわけでもない限りは、本作を見たければDVDを借りるほうが良いと思います。
by うにたべたい (528)テレビ放送された仮面ライダー龍騎のスペシャル番組「13RIDERS」のコミカライズ作品。 「13RIDERS」はテレビ放映時に一度見たきりなのですが、細部が放映時と異なっているそうです。 また、テレビ放映時龍騎は、「戦うこと」を選択しましたが、もし「戦わないこと」を選択していたらどうなっていか、その場合の結末についても本作中で述べられており、コミック版は1冊で2通りのエンディングが描かれた内容になっています。 OREジャーナルの記者見習いである城戸真司が、ライダーの戦いに巻き込まれてからその終結までを描いた作品になっており、TVシリーズでは50話かけた内容を一冊にまとめた上、TVシリーズでは出しきれなかった13体の全ライダーを登場させているため、かなり無理のあるストーリー展開になっています。 一応13体のライダーが描かれていますが、変身者のまともなシーンがあるのは龍騎、ナイト、ベルデくらいで、それ以外はカメオ出演程度かまたは無しで、各キャラの見せ場もほぼありません。 このあたりはテレビ放送時も同様なので、どうこう言っても仕方ない部分ですが、龍騎、ナイトがSURVIVEのカードを持っていた理由についても語られておらず、なぜミラーワールドが存在するのかや、そもそもこの戦いは誰が何の目的で始まったのかについても語られない、説明不足の多い作品だと感じています。 作画については癖が強いですが、役者さんの特徴を捉えていて読んでいて懐かしさを覚えました。 特撮のコミカライズ経験のある漫画家のため、ライダーたちの乱戦のシーンも混乱なく描けていて読みやすかったです。 本作はTVシリーズのサイドストーリー(パラレルワールドの一つ)であり、本作のみでは内容を飲み込めないと思います。そのため、龍騎の入り口としてはおすすめできません。 平成ライダーファンはコレクターズアイテムとして持っていてもいいと思います。
by うにたべたい (528)