秋鹿えいと AikaEito さんのレビュー

12

5.0

3巻まで読みました

レビュー映像研の面白さを語るのは難しいけど、
人生で一番影響を与えられた漫画なので、
凄いと思ったところを書いていこうと思う。

まず「擬音」が凄い!
問題です。カップ麺にお湯を注ぐ擬音はどう書く?
多分、多くの人は「ジョワ〜」や「ジョジョジョ」だと思う。僕もそう。
けど、映像研の中では「ゾウゾウヂヂヂヂヂ」「たしお〜」なのだ。
漫画的表現の擬音を使わずに、実際に聞こえる音をそのまま書く。
簡単に聞こえるけど、とても画期的な表現方法。やってる漫画家は少ない。
既存の漫画では見なかった表現だったので、ハンマーで殴られた衝撃だった。
(ちなみに擬音の問題の正解はないです。)

次に「台詞にパースがかかってて」凄い!
今までみたことないよ。台詞にパースあるの。
台詞のパースは背景と同じなので、
漫画・風景の一部というか、絵に溶け込んで見える。

「会話」が凄い。
漫画や脚本で良く見るありがちな会話ではなく、
映像研では、生きている会話を登場人物たちがしている。
既存の漫画では、「このタイプのキャラは、こういうこと言うよね〜」
と作者が透けて見えてしまい、残念な時がある。が、映像研ではなかった。
ご都合主義的なセリフを言わされてないと言うべきか。
言い回しやテンポも良くて、本当好き。
こればっかしは、たとえとか難しいから、1話だけでも読んでくれ〜。

「絵・背景の描き込み・こだわり」が凄い。
普通こんな小さなコマに、こんなに詰め込んで描かねぇだろ
と思うシーンでも、密度高く描かれていたりしてる。うっとり見ちゃう。
見開きの図解ページなんかも、説明と同じぐらい絵のディティールにうっとり。
僕には読み解けないこだわりが沢山あると思うと、何回でも読み返せる。した。

「漫画特有の線の強弱がなく、フラットな線で描かれてる」のが凄い。
今まで触れてきた漫画は、線の強弱のある漫画ばかりだったので、
均一な線で描かれた人物や背景に衝撃を受けた。とてもクール。
フリーハンドで描かれたであろう、ゆるい線も堪らなく好き。

最後に「お話。ストーリー」が凄い。
映像研に所属している3人の女子高校生がアニメ制作する話。
だが「創作が楽しい」だけを描いてる作品ではない。
ちゃんと生みの苦しみもかかれているし、
お金、時間の苦しみまで書いているのは稀有だと思う。
その創作の苦しみを書かれていることで、
より創作の楽しみや喜びが際立って見える。
彼女たちの姿を見ていると、なにか創りたくなる。
そんな気持ちにさせる作品が「映像研には手を出すな!」だ。

最後にと言っておいて、
自分語りで申し訳ないが、かく言う私も、
映像研を読んで創作し始めた人間です。

昔の自分は漫画描くなんて恐れ多い・・・
と思っていたが、彼女たちの姿を見てると、
創作に恐れている自分がバカらしくなった。
彼女らのようなアニメではなく、漫画を描き始めたが、
毎日描き続けた結果、今では漫画の原稿料で、食べて生きてる。

比喩なし、誇張なしで、

「映像研」読んで、人生変わりました。

創作に関わる人、創作に今一歩足を踏み出せない人に、
是非手にとっていただきたい漫画。

それが、「映像研には手を出すな!」です。

映像研に手を出せ!

オオおおお!

映像研には手を出すな!

レビュー(294)件

既刊7巻

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