この漫画のレビュー

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3.53

34件の評価

4.0

16巻まで読みました

2度アニメされた電撃文庫のライトノベルが原作のコミカライズ作品。
中世ヨーロッパのような世界観で、商人「クラフト・ロレンス」と、狼の化身「ホロ」を主人公にしたファンタジーです。
ただ、中世ヨーロッパでファンタジーがジャンルのライトノベルとしては珍しく、剣や魔法、モンスター、財宝などは登場しません。
ストーリーの骨子はロレンスの商いとなっていて、その世界での経済情勢や商取引における駆け引きなど、経済活動が主題となってます。

私はアニメはかなり以前に2クールとも視聴済み、小説は1巻のみ保持しています。
マンガ版は、原作途中で終了したアニメよりもかなり先までコミカライズしていて、途中大きく飛ばした部分はある様子ですが、原作が一段落した17巻までコミカライズしています。
原作は現在23巻まで、それに新シリーズとなる『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙』が刊行されています。
ただ、原作は17巻で一度完結しており、その後5年越しに再開しています。
続編は未読なのですが、コミックス版を読む限りではこれ以上にないタイミングで完結した感じがしていて、長い旅の終着点にして始まりを予期させる終わり方になっていると思いました。

ストーリーは、旅の行商人ロレンスが、商売のため訪れた村を離れた際に、荷馬車の荷台に忍び込んだ少女を見つけるところから始まります。
その少女・ホロは神と呼ばれる狼の化身で、長年村の麦の豊作のために力を尽くしてきたが、技術の進歩により蔑ろにされ始めたため、故郷の"ヨイツ"へ帰りたくなり乗り込んだそうです。
以降、故郷へ帰り着くまで、共に旅を続けるという展開となります。
ホロは見た目は超美人の女性ですが、正体は数百年生きた巨大な狼です。
ただ、狼に変身して街や商家、商船に襲いかかり、金持ちになるような展開ではなく、基本は為替や品物の売買によりお金を得ます。
ロレンスはいつか自分の店を持つことを目標としていて、そのための資金を調達することを縦軸に物語が進みます。

見た目少女だけど数百年生きた狼で、「わっち」、「~でありんす」、「~かや」などの廓言葉を使うホロは、電撃文庫のヒロインたちの中でもかなり人気が高いキャラと思います。
また、コミカライズではホロの露出シーンも多く、特に尻の造形は素晴らしいと思います。
作画担当は小梅けいと氏です。
来歴を知っているので最初は驚きましたが、読んでみるとかなりハマっていて、ホロの可愛らしさ、厳しくも楽しさのある世界観が伝わってきます。
ホロを始めとする女性キャラの魅力が伝わる場面も多く、良コミカライズと思いました。

なお、小梅けいと氏は2021年12月現在『戦争は女の顔をしていない』のコミカライズをやっている様子で、こちらもとても驚きました。
しかも読んでみると結構はまっています。こちらも引き続き読んでいこうと思います。

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