課長 島耕作

弘兼憲史

3.63

4326

完結・全17巻

PONY the DADDYさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.63

74件の評価

4.6

17巻まで読みました

1983年から連載開始され、2021年現在、相談役にまで上り詰めた「島耕作」を主人公とした『島耕作シリーズ』の第一作目。
バブルに湧く動乱の日本で、経済を回す歯車として働く団塊世代ど真ん中のサラリーマンの姿を描いた作品です。

舞台となる会社は大手電機メーカーの初芝電器。
主人公のサラリーマン島耕作は、初芝電器営業本部で宣伝課課長に昇進したのですが、妻にはそのことを話もしないほど冷え切った間柄でした。
最初は読み切り作品で、小心で意欲に乏しいが性欲だけは旺盛な島耕作が描かれていましたが、その後、いろいろな経験を得て、社内での大きな地位を得ていきます。

バリバリのお仕事マンガで、転勤、出向があり、派閥争いや妬み嫉みが横行しています。
島耕作は、誠実で頭がよく、器量も良くて女性にモテるキャラとして描かれています。
仕事がよくできて熱意もあるが、出世意欲には乏しく派閥に属さないこともあって、様々なトラブル、逆境と言える環境に投じられますが、そこで大きな成果を上げる。
突飛な発想や、世間をひっくり返す発明なんかは無く、あくまでサラリーマンとしての働きの結果であり、常識の範囲内の成果のため、あるい意味ではサラリーマンの日常が描かれているといえますが、島耕作の頑張りの結果であることを読者は追えているため、読んでいて一緒にその成功を喜べる内容だと思いました。

マンガ的な極端に非日常的な展開は無いのですが、島耕作の大きな特徴として、寝技が特異です。
作中、島耕作は様々なトラブルに見舞われますが、その時々の女性が助けてくれます。
そしてセックスですね。特に初期の島耕作は、息をするようにセックスします。
店で出会って気になったとか、何なら、なんの前触れもなく二人きりになったら早々に脱ぎだす女性もいる始末。
更には、妻子持ちの男性も島耕作に迫りだすので、この異常なフェロモンは島耕作の固有結界かもしれないです。

時代によるものか、あるいはこういう商社でもあるメーカーで働いた経験がないためか、現実的に私が属している会社の労働内容とは全然違っているのですが、とてもおもしろいと思いました。
内容が政治情勢や社会システム、会社の仕組みの説明等と密接のため文章量が結構あり、私自身読む時は結構その辺、飛ばして読んじゃったのですが、それでも楽しく読めました。
また、島耕作のビジネスが成功したり、悪党が失脚するときなんかは、カタルシスを感じました。

タイトルがもはやネタバレですが、次回作『部長 島耕作』に続きます。
島耕作が部長になるまでも非常に劇的なドラマがあるので、本作から読んでほしいと思います。

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