彼女を守る51の方法

古屋兎丸

3.38

1828

発刊:2006.09.09 〜

完結・全5巻

『彼女を守る51の方法(1)』巻の書影
『彼女を守る51の方法(2)』巻の書影
『彼女を守る51の方法(3)』巻の書影
『彼女を守る51の方法(4)』巻の書影
『彼女を守る51の方法(5)』巻の書影
アトキンソンさん、他2人が読んでいます

この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.38

44件の評価

4.0

5巻まで読みました

東京湾北部を震源地としたマグニチュード8.1の直下型地震が発生し、それに巻き込まれた2人の大学生が、変わり果てた東京を自宅に向けて歩くというストーリー。
実際に東京で大型地震が発生したらどうなるかというのを専門家の意見も交えてシミュレートして描かれたそうで、地震発生後の様々な予期される災害や出来事が主人公たちを襲います。

東京お台場に就職活動で訪れた大学生「三島ジン」と、偶然再開した、ビジュアルロックバンドの解散ライブのためお台場に来ていた元同級生「岡野なな子」が主人公です。
2人はお台場で被災し、液状化した地面、倒壊した建物、死体の山や助けを求める人の声が飛び交うパニックの渦中で、生き延びるため、家族の安否を確かめるために歩き出す展開となります。

テンポはよく、読みやすいと思います。
作品の性格上、死体の描写は多いですが、グロさは感じませんでした。
特に序盤は勉強になるようなシーンもあったように思いますが、中盤あたりから、震災の被害というよりも、震災のどさくさで発生する強姦被害の描写がメインになってきます。
終盤になると強姦魔の集団が集まって女性の立こもるビルにゾンビのように襲いかかる展開になり、さすがにこうはならないでしょうという気になりました。
そういった点など、後半はファンタジー色が強くなるので、震災時の対応マニュアル的なものというよりも、それを題材としたマンガと割り切って読むのがいいと思います。
"ためになる"とか、"考えさせられる"とか、そういうものでは無いですね。

SFやファンタジーとして読むと、起承転結がしっかりしていて楽しめる作品でした。
話数もそれほどなく、一気に読んでしまえます。
ラストはご都合主義的なところがあったり、悪に正当な裁きの描写がないなど気にかかる点があるものの、落ち着くところに落ち着くので、安心して読めます。
なお、作者は「ライチ☆光クラブ」などが代表作の古屋兎丸氏。
耽美な世界観の作風を描く作家さんだと思っていたので、本作のような作品は意外に感じましたね。

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