この漫画のレビュー

5.0
4.0
3.0
2.0
1.0
3.53

59件の評価

4.3

4巻まで読みました

主人公は、高校中退でコンビニバイトの「那須忠太」。
彼の父は女性と一緒に出ていってしまい、後にはアル中の母と借金が残されていた。
彼は、売れないアイドルグループ『レッフェ』のメンバー「神埼みさき」を推していて、彼女が生きるすべてだったですが、ある日、バイト先の店長に昔みさきから貰った大事なハンカチを捨てられてしまう。
店長に暴行を加え、自宅に逃げ帰ったが、ちょうど母は酒を飲んでおり、彼の財布に手を出していたところに出くわしてしまう。
精神が崩壊しそうな状況から逃避するべく、ライブ映像を再生するデバイスのコードの電線をむき出しにして、両耳から脳幹に突き立てたところ、彼の肉体は崩壊し意識だけが電子の海に流されてしまう。
そして彼は、ありとあらゆる電子機器に侵入してコントロールする"電人"になってしまう。

取り急ぎ、バイト先の店長や、みさきのSNSを荒らしていたサラリーマンに復讐するのですが、それがかなりグロいです。
忠太は鬱屈されていた生活を送ってはいたものの、アイドルをこよなく愛する一般人だったはずなのですが、どこにこんな凶暴性を隠し持っていたのか、見るだけでとても痛い、惨い殺し方を行います。
また、その矛先はなんの関係もない一般の人々にも向けられていて、みさきを大成させるという大義名分の元に恐怖を植え付けた上で殺しまくります。
胸が痛くなる展開が繰り返されるので、なんの罪もない人々が容赦なく殺されていく展開が苦手な方は注意が必要と思います、

作者は漫画:イナベカズ、原作:蔵石ユウ氏です。以前、"食糧人類"を描いていたコンビですね。
"食糧人類"同様、グロくて荒唐無稽な展開にも関わらず、きちんとストーリーを収束できています。
ただ、電人の対抗役として、「スドー」という謎の天才私立探偵が立つのですが、スドーに、例えばデスノートのLのような知能の高さのようなものを感じませんでした。
スドーに備わっているのは超人的な勘の良と行動力で、世界中の電子機器を手中に収めている電子の存在という捕縛不可な相手をどうにか捕まえるために設定した、ご都合主義のためのキャラクターという感じがしました。
電人の設定自体が反則級なので、こういう反則キャラを置かないと対抗できなかったのだろうなと思います。

巻数は全4巻と短く、スピード感があるというよりも、ものすごい勢いで人が死にます。
ラストは壮絶の一言です。サイコ・ホラー映画でも見ているように感じました。
グロ耐性が前提ですが、問題なければおすすめです。

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