「コミックビーム」誌連載の異色のサスペンス漫画、第1巻。 <p> 仕事、家庭、人生に行き詰まった編集者、安対武。起死回生をねらう彼は、人気漫画家、差能構造の新連載を取るべく、差能の住む沖縄に向かう。しかし大ヒットというひとつの頂点を極めた差能は、今や漫画を描くことに対する一切の熱を失ってしまっていた。なんとか差能に漫画を描かせたい安対は、話し合いのために彼を夜の繁華街に連れ出す。しかし、そこでヤクザに絡まれた結果、2人はどうにもならない大きなうねりに巻きこまれ、その渦中で差能は新たなる「熱」を発見する。その「熱」とは、「人を拳銃で撃つこと」であった…。 <p> 漫画家と編集者としてではなく、対等のヤクザとしてコンビを組むことになった2人のバランスなど、設定がとてもおもしろい。1つのめぐりあわせで始まった連鎖反応で展開していく物語は、後戻りの出来ない緊張感に満ちていて、牽引力がある。そして何よりも、狂気と恍惚(こうこつ)の入り混じった圧巻の表情描写が凄い。常識的な考え方では納得できないところも多々ある登場人物の心境や行動に、素晴らしい説得力を与えている。 <p> どこに飛んでいくかわからない物語の行方は、1巻収録分だけではまだまだ見えてこない。だが、この一寸先は闇の道を高速で突き進んでいくかのような、狂ったドライブ感は、体感の価値充分にあり、である。(横山雅啓)
▼第1話/ビチグソビデオ▼第2話/温泉旅館▼第3話/まことちゃんのデンワだよ▼第4話/キョンシーあっちむけピョン▼第5話/大笑いビーチ▼第6話/カレーでヒ~~~▼第7話/美香ねいちんの予定日記▼第8話/まことのせんどうさん▼第9話/ぼくちゃんの預金通帳▼第10話/花子先生のナゾ▼第11話/イボイボうつれ▼第12話/フシギの人(前編)▼第13話/フシギの人(後編)▼第14話/恐怖の水せんトイレ▼第15話/ママリンの同窓会▼私のUMEZZ体験(祖父江慎) ●あらすじ/沢田家で「グランプリ大賞をとった人が、その年の主人公に選ばれる」というホームビデオコンテストを開催することになり、家族順番でカメラを回して撮影していくことに。ようやく最後に自分の番がきたものの、何を撮ればいいのか分からないまことは、公園にあったビチグソに狙いを定めるが…(第1話)。●本巻の特徴/’70年代に一世風靡した伝説的ギャグの続編にして、1988年から「少年サンデー」で連載された“平成版”まことちゃんが、21世紀に堂々復活! 聖秀幼稚園うめ組・沢田まことが繰り出す超絶ギャグの数々に、ビチグソ級の衝撃必至!! グワシッ!!
『マンガで分かる心療内科』の作画・ソウ、原作・ゆうきゆう コンビのマンガ。 "モテるにはどうすれば良いのか"、"異性と仲良くなるにはどうすれば良いのか"、"友達以上の関係になるにはどうすれば良いのか"など、毎話モテるための秘策をテーマに取り上げ、具体的な方法やテクニックについて解説するものとなっています。 ボケとツッコミの応酬が激しいギャグマンガ調の作品ですが、書かれている内容は実践的で、今日にでも、今にでも使える内容となっています。 気になる女性がいる方、より親しくなりたい方、逆にうまく別れたい方、女性と縁がないことに悩んでいる方は手にとってみるべきだと思います。 一応、ストーリーがあります。 モテすぎて危険なため逮捕され、拘束姿を着せられて危険物として搬送される「女多 幸(おんなだ こう)」という身も蓋もない名前の男をモテなくするため、世界一モテない会社"モエソフト"に搬送されます。 声をかけるだけで罵倒される「忠野 貢」を始め、モテないメンバーの跳梁跋扈するモエソフトでモテないオーラに囲まれると幸もモテなくなるだろうという試みだったのですが、おっぱいが大好きな幸は、逆にモエソフトのメンバーにモテのテクニックを伝授して、モテない男に染まらずにすむようにしようと考える、いう展開となります。 展開はアレですが、書かれていることは全うで、納得感があります。 また、原作者のゆうきゆう氏は、メンタルクリニックを経営する精神科医なので、モテないという相談するのも憚られる悩みに対し、精神科医がマンガという形で応えてくれる良書だと思います。 既に彼女がいる方、既婚者にも、パートナーとの関係をより良好にするために心がける方法が書いているので、男女関係全般における教科書となると思いました。 なお、良いことが書いているのですが、高頻度でギャグが挟まります。 私的には楽しく読めたのですが、人によっては逆に読みづらさを感じる可能性があります。 ただ、多分そういう方はゆうきゆうのマンガではなく普通に本を読んだほうがいいと思います。 個人的には下品なネタの類は大好物なので、ゲラゲラ笑いながらちゃんと学ぶこともできる良作だと思いました。
by うにたべたい (528)