押見修造さんの作品の書影

押見修造

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3,087

3.6

9巻まで読みました

こわい

ぼくは麻理のなか

レビュー(440)件

完結・全9巻

3.9

15巻まで読みました

こわい

血の轍

レビュー(666)件

既刊16巻

3.8

7巻まで読みました

後に『惡の華』などを描いた押見修造氏の代表作の一つです。
たまたま同じネットカフェに入った人々が、ネットカフェのフロアごと異世界に漂流してしまうという作品です。

主役は一般的なサラリーマンの土岐耕一。
彼は妊娠中の妻がおり、ある日、ヒステリックになった妻と喧嘩してしまう。
翌日、まっすぐ帰宅するのが煩わしくなった耕一は、仕事帰りにネットカフェに寄り道するが、そこで中学時代に片思いしていた遠野果穂と再開します。
話をはずませる二人ですが、そこで店内のパソコンや、客の携帯電話が不通となり、停電になる。
停電は復旧するが、外は大雨で店内まで水が侵入し、外へ出ることができないため、耕一、果穂を含んだネットカフェの客と店員は、店内で一夜を過ごすこととなる。
翌朝、外に出てみると、そこは見慣れた街並みではなく、日本に見えない湿原が広がっていた、という展開です。

展開としては、楳図かずおの漂流教室が近いと感じました。
異世界に流されたネットカフェのメンバーがサバイバルをし、元の世界に戻るため調査を行います。
異なるのはネットカフェのメンバーは、元はほぼ他人であり大人の男女です。
そのため、限られた資源を奪い合ったり、殺し合いが行われたり、場を支配しようとするものが現れたり、強姦を企てたり、ストーリーはダークでドロドロとしています。
特に寺沢という男が暴力と女の体を使ってメンバーの籠絡を画策しており、耕一は寺沢の動きに注目しながら、果穂を守るというスリリングな展開が繰り広げられます。
また、ネットカフェのメンバーは20名いるのですが、全員に個性があり、見せ場があったのも良かったです。
展開のテンポもよく、最後まで中だるみ無く読めました。

作中、レイプや殺人があり、主人公も初恋の相手と再開しましたが現実世界には妊娠中の妻がいるという設定なので、大団円とはいかないだろうなと思いましたが、ラストはまさかのどんでん返しがあります。
ただ、あまりいい意味での"まさかの展開"ではないです。
賛否がある終わり方だと思いましたが、結末以外は安定して面白く、巻数もそれほど多くないので、機会があれば読んでいいと思います。

漂流ネットカフェ

レビュー(275)件

完結・全7巻

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