18世紀フランス革命前夜。平民の出ながら、ベルサイユ宮殿で貴族以上の権勢を誇る“仕立て屋”がいた。彼女の名はローズ・ベルタン。悲劇の王妃マリー・アントワネットの寵愛を受け、革命の波にのまれていった、ファッションデザイナーの祖と称される人物の物語。
5巻既読。 「仕事しよ」のセリフかっこいい。 18世紀フランス、ひとりの女性が時のマリー・アントワネット専属のファッションデザイナーを目指す歴史漫画。 基本的に登場人物も物語の大筋も史実に沿っています。 内容はわりとゴリゴリの西洋歴史漫画です。 当時のあらゆる考証が細かく、街並みや衣服等の描き込みが尋常じゃないです。 各話の後に作者さんと編集さんの雑談形式で当時の文化や風俗、歴史などが紹介されますが、すっげぇ勉強になります。作者さんは相当な歴オタだそうですが、それも頷ける。 蛇足ですが、史実ベースの西洋歴史漫画といえば、やはり惣領冬美先生の『チェーザレ』を想起しますが、あちらはイタリアが舞台。 フランスといえば『イノサン』ですかね。本作と同時期ですし、『イノサン』にも少しローズベルタンが登場します。 次代のフランスが舞台の歴史漫画といえば本作、になり得るんじゃないでしょうか。 完結まで追いたいと思います。 ちなみに、「マリー・アントワネット」については坂本眞一先生の『イノサン』、惣領冬美先生の『マリー・アントワネット』でザックリとは知っていましたが、アントワネットの結婚のために例の人工橋を作ってオーストリアとフランスの国境を跨ぐシーン、色々な描き方があって少し感動しました。 同じシーンでも描き手が違うと印象もだいぶ違うんですね。主題が違うので当たり前なんですけど、それぞれ見比べるのが楽しかったです。
by せーふぁ (1046)――お帰り、相川渦波――見覚えのない回廊で目覚めた少年・相川渦波は、訳もわからぬまま魔物との戦闘に巻き込まれてしまう。謎のスキル[???]の暴走で命からがら難を逃れた彼は、魔物から受けた毒を不思議な少女・ラスティアラに魔法で癒してもらう…そう、まるで“ゲーム”のように。そして何とか地上に出ると、自身が現れた場所である迷宮――その最深部が『どんな望みでも叶う』と噂されていることを知り、攻略を決意する。必ず……妹の元に戻るんだ。これは最高の素質を持つ少年が迷宮の最深部を暴き、願いを叶える物語。
原作既読者です。 コミカライズとしてはかなり良い出来に属する作品かと思います。 原作の絵を「静」と表現するならばこちらは「動」であり、「動き」の表現が上手い漫画家さんを起用したことで、原作絵と良い意味でギャップが生まれて作品世界が広がったように感じます。 迫力とスピード感のあるアクションシーンや多彩な表情を見せてくれる生き生きとしたキャラが凄く良いです。この点に関しては原作だけではここまで堪能できなかった…!コミカライズサイコー!! 原作の要点がスッキリまとめられていて読みやすくなっており、かつ大事な伏線等もしっかりと描かれているので、原作既読者・未読者ともに楽しめるかと思います。 これから先、作品で重要となってくる精神の内面描写や原作の凄まじく奥深い世界観と膨大な伏線の数々がどうやって描かれていくのか…目が離せません。
by 梅坊主@固定ツイ見て (3)